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tare.gif 【タレソカ学園高校/02.】







寮を出てかれこれ5分。
僕らは大勢の生徒に混じって歩いている。


その間キュヒョンを質問攻めにし続けたかいもあり、若干ではあるけれど、現状を把握しつつあった。


どうやらここは僕の夢の中で、「タレソカ学園高校」っていう学校の生徒らしい。
僕らが着ているのは衣装じゃなくて、紛れもない制服だったのだ。
二人ともルックス的に高校生だなんて無理がある気がしてならないけれど
周りの生徒誰一人として気にしている様子はない。
案外、許容範囲なのだろうか。

それとも夢マジックか。

ちなみに、ドッキリカメラの可能性も疑っていたけれど、タレソカ学園高校の校舎を見た瞬間、その考えはすぐに消えた。
番組の予算でどうにかなる規模じゃない。


白を基調に作られた建物は美しいだけでなく、まるでバロック様式の宮殿のような豪華さで
きめ細かく美しいレリーフに豪華な装飾、建築・庭園の美しさが、これでもかと強調されているし
柱ひとつとっても、細部までこだわりの感じられる彫刻が刻まれていた。
加えて、ここまで歩いてきた敷地に、アスファルトは一切ない。
石畳やモザイクタイル、手入れの行き届いた芝生のみ。
もちろんゴミ1つ、枯葉1枚すら落ちてはいなかった。

一体どれだけのスポンサーがつけば、こんな場所を借り切って番組を作れるというのだろう…
というわけで、夢の中という結論に落ち着いたのだ。



キュヒョンから得た情報はまだある。


大富豪しかいないと推測される豪華絢爛な学校に僕らは中等部から通っていて、ずっと寮生活をしているそうだ。
その時からキュヒョンとはルームメイトで、高等部寮でも同室の希望が叶ったらしい。


寮は敷地の最北端に位置していて、校舎まで徒歩10分くらい。
敷地内だけで10分も歩くなんて、この学校がいかに広いか、簡単に想像できる。

正門は寮とは正反対の南側にあって、正門から校舎までの道は、まるで商店街のようなにぎわいだそうだ。
寮生活に必要な生活雑貨からカフェ、レストラン、娯楽施設が充実していて、
授業時間以外は出入りが自由。しかもタレソカ学園高校の生徒はタダで利用できるとか。
ただし、学内からの外出は基本的に禁止されていて、外出の必要がある場合には申請による審査があるらしい。


キュヒョンから聞いた話はここまでだ。



まるでアニメの設定でよくある“学園都市”みたいで、しばらくはこの夢を楽しみたいとすら思ったけれど
ユノがいないこと、それが不満だった。

だって、そうだろ?
ここにユノがいたら…現実世界ではできないこと。たとえばデートとか堂々とできるのに……

僕の夢なんだから、もっと僕に都合の良いように展開したっていいのもを。



…っと、そこまで考えて、「おや、待てよ」と閃きを感じる。

ここは僕の夢の中。僕が創り出した世界。地球だって、ここでは僕を中心に回っているはずだ。
つまり、僕が願えば、何だって叶うに違いない。


早速、神様にお祈りするように両手を合わせて目も閉じて、強く強く念じる。


「ユノヒョンが出てくる…ユノヒョンが出てくる…ユノヒョンが出てくるっ!」


…よし。
そーっと右目だけを開けてみると、そこには

眉をハの字にしたキュヒョンがいた…。






「…チャンミナ……大丈夫?」

心配と困惑の混じった表情で、僕の顔を覗きこんでいる。

「全然大丈夫じゃない」

やっぱりそう上手くはいかないか…
ため息が漏れる。


「…やっぱり、記憶喪失なのか!?」
「はっ、…ぇ?」


生まれて初めてそんなことを聞かれてびっくりする。
しかも、冗談ではなく真剣に。

「おかしいと思ったんだよ…落ち着きがないし、変なことばっか聞いてくるし、
 今だって急に立ち止まったかと思ったら、ぶつぶつ祈りだすし…」

今にも泣き出しそうな顔をして僕の肩をがしっと掴むと、前後に揺さぶる。

「いやいや、大丈夫!そーゆうのじゃないから!!ただ…」
「…ただ、なんだよ」

キュヒョンはピタと動きを止めると、至近距離でじっと僕を見つめる。
その瞳にはやっぱり高校生には見えない僕が映っていた。

「昨日より前のことが思い出せないってゆうか…あ、キュヒョナのことは覚えてるんだけど」
「…どっか頭ぶつけた?とりあえず保健室いく?」

起きたら夢の中で高校生になっていた云々を説明する気にはなれなくてそう言ってみたけれど、
キュヒョンは僕の腕を引っ張って寮の方へ戻ろうとする。

「いや、ホント!ほんっとに全然大丈夫!キュヒョナの話聞いて、思い出してきたから!」

慌てて引き止めると、キュヒョンを引っ張って生徒の波に戻った。


「…でも、」
「ほんとに大丈夫だから」


にっこり笑って頷いてみせる。
しばし、無言の問答。探るように僕を見ていたけれど、

「…ったく、何かあったらすぐ言えよ?」

そう言って、頼もしい顔をしてくれた。
キュヒョンは、ここでも僕の親友だった。









10分以上かかって辿り着いたのは、コロッセオが現代風に進化を遂げたような外観の建物の前。
しかもアーチ型をした分厚いドアは、高さ5mくらいある。

「でかっ!」

思わず立ち止まってそんな感想を漏らすと、キュヒョンが僕を振り返って肩をすくめた。

「今更?…ほら、突っ立ってたら迷惑だろ」

僕らを避けて入っていく生徒達に白い目を向けられていることに気付いて
慌ててキュヒョンに追いつき扉をくぐる。

目の前に広がった光景は、外観からなんとなく想像がついていたけれど、
入学式が行われるいわゆる体育館といった雰囲気ではない。
2,000名は収容できそうな扇形階段の空間で、中心には舞台、そこから円弧を描くように席が配置されていて
オペラ劇場のように煌びやかでクラシカルな内装だった。
さらにアーチ型の天井には天使の絵画…

「見とれるなら、座ってからにしろよ」

天井を見上げたまま、また立ち止まっていた僕の腕をキュヒョンが引っ張った。







席はほぼ埋まっていたので、僕らは最後列に座ることになった。

「全校生徒がここに集まんの?」

キュヒョンの他に、見知った顔がないかを探しながら聞いてみる。
座席から舞台までは階段状になっているから、前から席を見渡すことができたら、簡単に探せそうだ。

「そ。高等部だけだけどな。各学年600人くらいだから、1,800人ってとこだな」
「へぇ、結構多いな…」
「あ、でも高等部から編入してくる奴もいるから、もうちょっと多いかも。
 ちなみに中等部と大学部は別の場所で始業式してる。ここじゃ、入りきらないしな」

僕の記憶を呼び起こす助けになればいいと思っているのか、
さっきまでとは違い、面倒くさい様子は見せずに詳しく教えてくれる。



「あれ?」

見知った顔はまだ見つかっていないけれど、制服の色に違いを見つけた。

「ブレザーの縁、色が違う奴がいるな。種類があるの?」
「ああ。学年で色分けされてるんだよ。2年は赤、3年は黄色だ」

自分の制服を見下ろす。
僕らのカラーは白。

…そこで、重大なことに気付いてしまった。

「なー…ということは、まさか、僕らって…1年?」
「そうだけど」


衝撃。


高校生といっても、3年生くらいだと思っていたのに。
よもや、このルックスで、高校1年生だったとは。

「キュヒョナ~、もしかして15歳なの?」
「…お前もだろ」
「ウける!!」

キュヒョンに「何が可笑しいのか分からない」という奇妙な目つきで見られてしまった。






そのとき、
リンゴンカーン、リンゴンカーン。

電子音ではない奥ゆかしい鐘の音。
ざわめきが収まる。どうやら始業式が始まるらしい。
笑いは無理やり呑み込んで、全員の視線に倣って僕も前を向いた。









続く

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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
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