今 宵 は 、 星 屑 が 落 ち て き た 。

手 の 中 で キ ラ リ と 光 る 。

僕 は そ れ に キ ス を し て か ら 、 空 に 還 し た 。








【 恋する星 /05.】









「ふた重…だったんですね」


僕の、20センチ向こう。
なんかふわふわした別の生き物に見える。


「よくひと重に間違えられる」
「一石二鳥ですね。切れ長ビューティーもふた重きゅるるんも両方いけます」
「いいこと言うな!」
「ありがとうございます」
「お前はでっかい。ヒチョルといい勝負だ」
「レラ様の方が僕よりおっきな世界が見えていそうです」
「俺はどこ見てもお前しか見えなーい」


眉辺りに手をかざして、ちっちゃくきょろきょろ。


「世界のスターなのに」
「今は違うし。お前だけがいい」
「……普通にそーゆうこと言えちゃうとこ、そろそろ耐性できてきました」
「そーゆうことってどーゆうこと?」
「どうゆうことって…」
「うんうん」
「えっと、しょ………ゆ…、…ノれません。激しく不本意です」
「ぷはっ」
「女性なら胸をキュンとさせてしまいそうな台詞ってことですから!」
「うん、知ってる」
「え、故意に言ってたってことですか!?」
「ホントにそー思ってるから言ってるだけ」


って言いつつ、僕の胸元に額を押し付けて、くくくと笑う。
完全に僕の反応を見て遊んでいたに違いないのに、悪い気がしないあたり、
スターは僕の平和をひたすら維持できるのかもしれない。


「で、耐性できてないときは、キュンしてたんだ?」
「えっ!……しませんよ…男ですから」
「ふうん。 じゃーどんな時にキュンすんの?」
「どんな時……」


ぽわんと浮かんだのは、さっき や さっきの、


「甘えられたみたいのとか……」


ポロリと脳内が飛び出てきたから、慌てて付け加える。
「一般女性は、てことですけど」

そうは言ったものの、すぐに何十万人の女性を虜にしているスターだってことを思い出し、
もはや語尾は消えゆくしかない。
スターはそんな僕に失笑するでもなく、


「ふうん? 試してみようぜ」


語尾に★が付いてるみたいなノリで、おかしな事を言い出した。







「試すって?」
「キュンしたら教えろよ」
「いえ、だから僕は男ですから」
「甘えるってどーやんだろー。 いざとなると浮かばないな」


僕の主張は流しそうめんよりキレイさっぱりつるりと流して、
首を傾げるスター。

いいんです、別に。
それより、あの…ぽわんと浮かんだ数々…スターにとっては甘えるうちに入らないのか。
だとしても、キュンさせる甘え方としては完璧です。





「とりあえずぅ~」

って語尾を伸ばしながら
よいしょと体を寄せてくるスター。


いきなり10センチの距離。


水晶みたいな黒い瞳に映った僕がよく見える。
もっと見ていたかったのに、映った僕があまりに恥ずかしい顔をしてたから、
動揺しすぎて目が泳いでしまった。


「…チャンミン」
「あー…はい」
「今俺の方がキュンしちゃった」


スターは両手を自分の頬にぺたとして、くねくねする。


「空気が入って寒いから動かないでください」
「そーゆう顔も、すげー可愛い」
「それ、褒め言葉にならないですからね」


自分のことは棚上げしとく。


「チャンミンて実は俺の顔、見惚れるくらいすきなんだ?」


ええ特に目が。
…じゃなくて、


「あのですね、」


ふわふわ笑うスターの方が可愛いから。


「…気恥ずかしいので、やめてください。」
「じゃぁカッコイイにする?」
「…なにがじゃぁか分かりませんが、どちらも結構です」
「チャーミングがいい?」
「…なんかピカピカにできそうですね」
「ならプリティ」
「…ステッキで戦えそうですね」
「最強にカッコ良くて宇宙一可愛いくて、もうチャーミングでプリプリプリティなチャンミン」
「長いのでチャンミンでいいです」
「じゃぁチャンミン」
「もうこの下り、飽きません?」
「そう?俺は楽しい」


そう言ってまた笑う。
ふわふわ。ふわふわ。


ピコンと頭上にクエスチョンマークが立つ。
そのふわふわって、もしかして…


「…眠いんですか」
「そんなことない」


両目をこすこすしながら言われても。


「眠いなら寝ましょう?」
「胸キュンゲームしたいしー」
「いつの間にゲームになったんですか」
「勝ち負けある?」
「なぜそれを僕に聞くんですか」
「どうなったら勝ち? やっぱキュンとしたら勝ちだろーな」
「微妙に会話になってませんが、普通はそれ負けです。さっき自爆したからでしょ」
「バレたか」


てへ、と笑うアイドル。
何したって許されるに違いない。


「なら胸キュンゲームに勝って、気持ちよく寝てください」
「勝つ?チャンミンがキュンするってこと?」
「そうです」
「よし勝つー!」
「とりあえず目、つむってくれますか」
「ん? ちゅーの前触れ? チャンミンがするの? されるならまだしも? それキュンするの? むしろ俺、負けない?」
「しーっ!! 黙ってください」
「はい。…お口チャーック」


必殺技みたいに言ってからむんと口をつぐんで、目を閉じるスター。


星が瞼の奥に隠れ、映る僕も見えなくなった。







…さっき、顔がすきなの?って聞かれたけど、
目だけじゃなくて、構成するパーツ全てが綺麗だと思う。
女性を見てキレイだなって思う種類のキレイじゃなくて。

この人を知らないときは、そんな風に思ったことなかった。
実力人気共にトップクラスの大スター。
それだけ。

でも、人となりを知っていくにつれ、この人を形容する様々な言葉を1日で体感した。




今では…多分、

目の前にいるこの人を、好きになってる。




大スターなんだから、
同性なんだから、
みんなのアイドルなんだから、

好きになっちゃだめとか、好きになるなんてどうしようとか、
そんなふうに思わないのは、レラ様の存在が大きいかもしれない。

だけどひとつ、
ファンとしての好きと、この人への好きには、違いがある。









「チャンミーン。目、閉じてたら、このまま寝ちゃいそうだ…」

「…寝てもいいですよ」



唇に羽みたいに触れた。
スターの言うちゅーはおしまい。


そう。僕の好きは、手の届かない人だって分かっていてもなお
同じだけの想いを返して欲しい、
そーゆう種類の、好き。
捧げることより、返されたぶんだけ幸せを感じる、そーゆう好き。

だから欲を持てば持つほど、この人の側にいるのが苦しくなりそうで怖い。
捧げ続けることはできないから。
返して欲しい想いが大きすぎて、きっと自分を追い詰める。

だから、ほんの少しだけ。ほんの少しだけでいい。







「…キュンは?」
「あなたの勝ちです」


スターは薄く目を開いて、再び僕を映す。
それから緩く首を振った。


「俺は、ボロ勝ちすんだ」
「僕をキュンさせて?」
「そ。だから…」


おねむさんはどこへやら。
口元に浮かんだのは艶やかな笑み。
誘う指先が、僕の唇の形をゆっくり辿った。



「…もっと、しようぜ?」



スターの纏う雰囲気が一瞬のうちに濃密なものに変わって、動揺する。
天使みたいなこの人しか知らなかったから。


唇が僕に触れ、
指の後を追う。

頬を伝い、
耳を噛み、
首筋を吸い、
胸元に辿り着き、

体を跨いで、僕を見下ろした。


その瞳が雄弁に語るこの行為の目的に気付いて、僕は愕然とする。








「あなたは…僕に欲を持たせるつもりですか?」



スターは片方の口角を上げて悠然と笑んだ。

そして自分のシャツに両手をかけて
魅せつけるようにゆっくり脱ぐと
まっすぐ伸ばした腕をベッドの外に向けて
パサリと落とす。

僕を煽りたかったのなら、成功というしかない。



「だって、俺ばっかりお前が欲しいなんて、ずるいだろ?」



さらさらの髪の毛を後ろに撫で付けるように
かきあげた。
目を奪うには十分だ。



「……欲張りになりたくないんです…」



それでも抵抗する臆病な僕に、ピタリと動きが止まる。



「お前にとって俺は…遠い遠い空の、高い高いとこに在る、手の届かない星と同じ?」

「はい……」



その言葉に何度も頷いた。
どんなに背伸びしたって届かない。
できるのは見上げることくらい。
いくら欲しいと願ったって、手に入ることは叶わない。






「なら、空になれよ」

「え?」






まるで僕の葛藤なんて蹴散らしてしまうかのような言葉が降ってきた。



「俺が星なら、お前は俺の空になればいい」



だろ? としたり顔で笑いかける表情は、天使に戻っていて。
この人の空になるなんて、具体性もなければ意味だって全然分からないのに、
なぜかすべてが解決したみたいな、そんな気持ちになっていた。

ゆっくり体を起こして、少しひんやりした体を抱きしめる。






「僕は…あなたの空になれますか」


くてと預けられた重みが答える。


「俺より上まで登って来たらな」






そのひと言で、具体的なプランが頭に浮かんできた。
明日から仕事漬けの日々になりそうだ。


「長くは待たせません」


そのまま体を入れ替えて、今度は僕が見下ろす。
迷うことなく、シャツを脱いだ。

そしたら、

「やっぱバキバキじゃねーか」

ちっちゃい悔しさが腹に刺さる。
可笑しくて声を上げて笑ったら睨まれた。
でも、


「マシュマロくらいがちょうどいいです」
「フォローになってねぇし。俺は板チョコのがいい」
「すべすべで弾力があって、手触りが気持ちいのに」


滑らからな腹部の上をすべって、その下に手を這わせると、
ひくりと腰が揺れた。


「俺がしたい」
「だめです」
「なんでだよ」
「星はおとなしく未来の空に抱かれてください」
「……今日だけだからな。本物の空になるまで、俺がするから」


不満げに言い募る唇にキスをする。


「チャンミン」


返事を促されても、はいとは言えないから、
深い深いキスを、答えにした。












end..














あ る 日 、 星 は 、 友 達 の 空 で 見 つ け た 。



金 色 や 銀 色 の テ ー プ が 舞 う 宙 を 見 上 げ る こ と も な く 、

た だ 一 心 に 、

彼 だ け を 見 つ め 続 け て い た 、

ま っ す ぐ な 瞳 を 。





そ の 瞬 間 か ら 、 星 は 瞳 に 、 恋 を し て い た 。














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*Esperanza*のチカ*さんとコラボ企画★第三弾、【 恋する星 】 
チカ*さんのお話はこちら!

【恋する星】。予想に反して、なんと終わってしまいました。←
しかも最終話、長すぎて読んで頂くのたいへんだったかしら。。
とはいえ、全5話、楽しんでいただけたのなら嬉しい限りです。
お付き合いいただき、ありがとうございました。

ってことで…ごめん、チカ*しゃん、なんか終わっちゃったwwww 終わる気微塵もなかったのに。
書き直しに書き直してたら、最終回になってましたwww
チカ*さんの恋する星が完結するまで、その後の二人のお話を書いていくことにしまーす!

読破してくださる猛者が増えてきて、嬉しい今日この頃♪
勇気を出してコメントをくださった方もいて、嬉しい限りです。
超絶ありがとうございます*॰ْ✧ً⋆。˚٩(´͈౪`͈٩)⋆。˚*ْ✧ं॰*
恋する星はなんか私的には甘いお話で幸せ気分です★


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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。