星 が も つ 引 力 。

地 球 が も つ 重 力 。

そ の 間 に い る 僕 は 、 ど っ ち に 引 き 寄 せ ら れ る ん だ ろ う 。








【 恋する星 /04.】









「そういえば…」


スターの髪が濡れたままだったことを思い出し、ドライヤーを持って浴室を出る。


「あの、髪を………あれ?」


テーブルの上にはコップだけ。
リビングにスターはいなかった。

盛大に開け放たれたドア。


「…僕の部屋か」


入ると、僕に気づいたスターが振り返る。


「レラ教はダテじゃねぇな」


ギャラリーのように額に入れて飾られたいちばん好きなレラ様の前から、僕の前にスタスタ。
手の届く距離。
濡れて額に張り付いた髪を人差し指で掬い取って右に流す。
よく瞳が見えるようになった。

ん?って顔が、少し右に傾く。

………って僕ーっ!!


「ぁ、いや、気になって」

何を当たり前のように触ってんだ。
慌てて手を引っ込めた。
でもスターは別に気にした様子もなく、へラッと笑う。

「こんな風に飾ってもらってヒチョル、嬉しいだろうなー。
 人形当たったの1人なんだろ? ヒチョルもお前のこと覚えてるだろうし、伝えてやんなきゃ。」
「いえ、結構です」
「なんで?」
「僕の自己満足ですし」
「お前の存在を知ってほしくないの?」
「もちろん、知ってくれたら嬉しいですけど、僕は欲深い人間だから」
「逆だろ。無欲すぎじゃね?」
「きっと僕の存在を知ってくれたなら、次は覚えていてほしくなるでしょ?
 僕ですよ、僕ですよって。そんなの嫌じゃないですか」
「お前は…空の高いとこで輝く星を見上げてたいんだったな」
「そーゆーことです。さ、髪乾かしましょう?」
「はーい」

スターは良い子な返事をすると、ぴょんと僕のベッドに上がり、サイドぎりぎりに背中を向けて座った。

「……あのー、」

それって、乾かせということですか。

「チャンミン?」
「え、はい。ただいま」
「なんだその返事。執事ごっこか」
「イエス、マイ、マジェスティ」
「悪くない」

チラリと振り向いてスターは笑った。








ぶおーん。
コンセントを差し込み、スターの髪に温風を当てる。

小さな頭。
柔らかい髪の毛が僕の指に絡む。
手触りがいい。

スターにばったり会う一般人。
スターに助けてもらう一般人。
スターとゴハンする一般人。
スターとタクシーにのる一般人。

まぁ、いるだろう。

でも、スターの髪を乾かす一般人。
いるのかな…





「は~きもちい」


ぽてと背中が僕にもたれてきた。
その甘えた重みに胸がキュンて鳴る。


「…乾かせないんですけど」
「前は?」
「あー、そうですね」

って何がそうなんだ、僕。
熱くならないようにドライヤーを離しながらサラサラと乾かす。

「はい、できました。」
「さんきゅー」

スターは動かない。

「あの、終わりました」
「うん。知ってるー」
「じゃあ体起こしてください」
「はーい」

返事だけ。

「……………あの、」
「なに?」
「…僕が一歩下がったらどうなるか想像つきますか」
「頭から床に落ちるな」
「そーゆうことです」
「落とす?」

スターはチラリと振り向いて僕を見上げた。
瞳にはちょっと面白がっているみたいな煌めきがある。



「……もちろん落とします」
「そーなの?」
「落としますよ?」
「うん」
「頭ぶつけても文句言わないでくださいね?」
「うん」


思いきって一歩引いてみた。

そしたら、あ〜れ〜とか変な声を発しながら、後ろに落ちてくるから、
わざとだとわかっていても抱きとめてしまう。


腕の中にスター。

やっぱり…柔らかめ。
しかもいい匂いがする。
同じソープのはずなのに。
何でかな…。


「チャンミン、くすぐったい」


そのひと言で首筋に顔を埋めていることに気づいて、恐ろしいほど動揺する。
慌てて腕の力を緩めるけど、離したらスターが落ちるから、それもできない。
何やってんだ、僕。
心臓がドクドクしすぎて爆発しそう。


「ああああの、とりあえず…腹筋、使ってください」
「いやだー」
「…腹筋ないのか…」


独り言のように呟いた瞬間、スターは僕の腕を抜け出し
隠すように両手で腹をさすった。


僕は胸を撫で下ろしながら、このくらいのスキンシップは友達なら普通だと自分に言い聞かせる。
そうだ、普通。
別におかしなことじゃない。


だけど急にスターが振り返って、キッと睨むから
「ご、ごめんなさい」
両手を顔の横にぱっと上げて謝った。

だけど、睨まれた理由はそれじゃなかったようだ。


「…あるからな!ま、…お前より硬くないけど…」


気にしてるんだ。
思わず笑ってしまいそうになるけどなんとか嚙み殺す。

でもバレたのか、スターはほっぺをぷくと膨らませた。


「だから、あるし」


もう一回繰り返してから、スターはベッドの奥側に移動して、自分の前のスペースをポンポンと叩く。
そこに座れと?
僕のベッドだけど専有権はスターにあるようだ。







「なー俺より腹筋あってちょっと羨ましいチャンミン、」
「長いからチャンミンでいいです。腹筋見てないでしょ」
「さっき硬かった。髪も乾いたし寝ようぜ」

…寝る…
さらっと言ったけど…

その間にもスターはクッションを引き寄せて頭の下に敷いて、モフモフしてる。

ここで寝る気のようだ。


僕はどこで…?
その空きスペースは僕用?




「チャンミン?」




友達であっても、同じベッドで一緒に寝たりしない。

「…僕は…客室で寝るので、使ってください」

そう言ったら、スターは少しのタイムラグもなく

「そう?じゃーお前のベッド借りるー」

掛け布団をいそいそ引き寄せて肩まで引っ張り上げる。
一緒に寝ようってせがまれると思ってたから、すんなり引いてくれて、ホッとした。




…そのはずなのに。




おかしいな。
言ったそばから後悔してる自分がいる。

今日が終わってしまったら、もう二度と、この人に触れることなんかないのに、
自分の手で、今日を終わらせるのか?


この人を抱きしめたときの感覚。
まだ体が覚えてる。

だけど、1日、1日、普段の日常を過ごすうちに、消えていってしまうのだろう。




        忘れたくない。 失くしたくない。




そんなバカみたいな気持ちを僕の中に、見つけてしまった。







「迷える子羊チャンミン」
「…長いのでチャンミンでいいです」
「じゃあチャンミン」
「なんですか」


スターは天使みたいに優しい笑みを浮かべると、
ファサッて、布団を持ち上げる。


そして、言った。








  「おいで?」










言葉は引力。
短くても、強い強い、力がある。

高い空から見下ろす星には、お見通しに違いない。




僕は…


引き寄せられるように、ギジリと音を立てて、ベッドに上がった。













続く..

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*Esperanza*のチカ*さんとコラボ企画★第三弾、【 恋する星 】 続きます★
チカ*さんのお話はこちら!

自分で言うのもなんですが…この回好きだ(笑)
お話って、自分が読みたいものを書くから、自分の萌えしか詰まってないわけで。
いいねをくださったり、コメントをくださる皆様は、私と萌えポイントが同じなんだろうなって、嬉しくなるのです。
「恋する星」を読んでくださる多くの方はチカ*さん家からのお客様だと思いますが、基本的にぬるくてすみませんw
ですが引き続き楽しんでいただけたら嬉しい限りでございますん♪

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| 2016.10.23(Sun) 21:27:03 | | EDIT

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| 2016.10.24(Mon) 08:35:47 | | EDIT

い~ぞ~
私も好きだ~この回♪

なんかユノかわいいし。
なんかユノ誘ってるし~~~。

やっぱりYUKAさんとこのミンホなやりとり私好きだ~♪

きっとね皆好きだと思う~~~
こんなミンホ好きじゃない人いる訳ない!!
でも私が一番好きだからね♡

あ~~~~このお題間違いじゃなかった(笑)

チカ* | 2016.10.25(Tue) 18:44:26 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>あさ さん
こんばんは!素敵なコメントくださってありがとうございます~!なんか嬉しくて三度読みくらいしちゃいました(笑)
読破&恋する星を気に入っていただけたようで超ミラクルスーパー嬉しい限りでございます。
彼らの会話は私も好きで← 萌え萌えしながら書いておりますので、あささんにもハマってよかったw
しかも音の感覚表現…そんな細かいところまで読んでいただけていて、私の方が動揺しちゃいますが(笑)
チカ*さんの恋する星と合わせて、うきゃうきゃしていただけたら私も嬉しいですので、更新がんばります!!
今後も楽しんでいってくださいませー>▽<

YUKA | 2016.10.26(Wed) 00:32:51 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>チカ* しゃん
ミンホなやりとりは僕らの欲するところであり、萌えポイントですよねww
連載になるお題、たしかに最初どうなることか恐ろしかったけど(笑)僕ら意外とイケるみたいで
チカ*しゃんの采配、グッジョブ。いぇい!!
…で、何話まで行くだろうね(笑)きっと僕らふたりとも見えてないねwww

YUKA | 2016.10.26(Wed) 00:35:44 | URL | EDIT

うわああ(*´∀`*)たまりません!!

腕の中にスターの「甘えた重み~」、そして「おいで?」と、きましたかー!!

胸きゅんどころの話でないですー。
たまりません。たまりませんーィャィャ(〃≧∀≦)

重み、においに、柔らかさ~
たまりません-!

ユノのポテって、もたれた甘えた重み~がかわいー。
ステキです!サイコーですー!!
何度も読み返して想像しちゃいました-!

萌えすぎました-。
ここのところ、忙しく、もんもんとしていましたが
もー全然大丈夫になりましたー!
YUKAさん!ありがとーございました!

バビコ | 2016.10.28(Fri) 22:30:55 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>バビコさん

いつもコメント、ありがとうございます~♪ 相変わらず嬉しいお言葉の数々…たまらんでしたか!やった!!(笑)
甘えた重みは最高ですよねぇ。想像しやすいワードになれて、甘えた重みも喜んでいることでしょう。私の方が喜んでいるけど!
忙しさの中で、【恋する瞳】が萌えをご提供できて、よかったです!私は萌を届けられるのが凄くうれしいです~
やっぱらぶんちゅな二人が好きですよねぇ。うんうん、恋する瞳はらぶんちゅしかないので、ルンルンしてお楽しみください♪

YUKA | 2016.11.03(Thu) 23:11:47 | URL | EDIT
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Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。