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【 南国の、夜話 】






「なーなー。」
「なんですか」

もぞもぞ動く気配に、首だけ向ける。
ベッドのそばのオレンジ色した電球が淡く優しくユノの顔を照らしていた。
手のひらを合わせて重ねたそのうえに、小さな頭を乗せている。

「あ、起きてた」
「寝てましたよ」
「起こした?」
「いーですよ」
「今日楽しかったな。」
「撮影中も普通に遊んじゃいましたもんね」
「まだ遊ぶ?」
「遊びたいの?」

ホテルに帰るなり、飲みすぎたー疲れたー寝るーってユノがベッドにダイブして、
僕がその隣にそーっと滑り込んでから30分。

「だって目が覚めたんだもん」
「キューティーハニーですか」
「違うけど、だめ?」
「別に求めてないから、だめじゃないですよ」

僕ももぞもぞ動いて体を向ける。
そしたら目の中いっぱいのユノが、パァっと向日葵みたいに笑った。
僕の行動ひとつでこんな顔を見せられると…胸がキュンて鳴る。
もう長いこと一緒にいるのに。
いつもそう。

だけど繰り出されるボールは変なとこから飛んでくるから、いつまでたっても慣れやしない。



「じゃあ、パッタイ!」

…それは、えと、たしか…夕飯に…目をクリクリにして食べてたヤツだ。
って、そーじゃなくて、『じゃあ』って何だ。
しばし考える。


「……イェン・ター・フォー…?」
「オ、オ、オー…レンジ!」
「ジョーク」
「ク、……クルミ…」
「ユノヒョンの負けでいいですか」
「何でだよ」
「クルミは北半球の温帯地域が主な原産地なので無関係です」
「そーなの?!…チャンミン、よく知ってんなー」


ハイタッチを求められた。
でもユノの暴投に、振ったら当たってホームランになった的な気分だから、
軽めにしておく。

…で、


「今のは何ですか」
「南国しりとり」
「何の説明もなく始めましたね」
「南国しりとりに説明いるか?」
「南国しりとりの説明ではなく」
「ではなく?」
「…………いえ、何でもないです。僕にグッジョブとさえ言ってくれれば」
「あはは。グッジョブ!」

僕は全然可笑しくないけど、
ユノは楽し気に笑いながら、両手の親指をぐっと立ててくれた。

グーググー。
日本で流行ったギャグみたい。


「南国しりとりじゃなくて、南国じゃんけんにしましょう」
「フツーのじゃんけんとどう違うんだよ」
「勝った人が好きな所にチューできるんです」
「スキなトコにチュー?南国と関係ないじゃん」
「南国イコール開放的でしょ」
「たしかに!」

自分でもイミフな理由付けだとは思ったけどユノはうんうんしてる。
だからよし。

「いきますよ。はい、南国じゃんけんポン」




ちょき vs ぱー




遅出しになった、その手がぱー。

「僕の勝ちですね」
「しょっぱなから負けた…」
「じゃあ、いただきます。」

愕然!!とばかりに見ているその手を取り、指先に唇を押し当てて、肺活量の限界まで吸う。
皆を魅了する、男っぽいのに長くて細くて繊細で美しい、僕の大好きな指。



ダンスしてるとき、ユノが触れた空気が、キラキラして見える時がある。
そのキラキラは、少しずつ指先から溶けてるユノじゃないかって心配になるけど、
もしそうなら、僕の中に積もればいい。



そんな想いで他の指先にも口付けようとしたら、すごい早さで引き抜かれてしまった。

今、ユノの指先はユノの手の中に。



「チューは1回だから!」
「そんなルール作るんですか」
「当たり前」
「つまり僕のターンは終わりだと?」
「そゆこと」
「でもまだ何もし…」
「はいはーい、出っさなきゃ負っけよぅ~南国じゃんけんぽん!!」



ちょき vs ぱー



「よっし!!」
「おめでとうございます。」

両手をちょきにして左右にカニカニするあたり、喜びっぷりが愛しい。

「どこにシてくれるんですか」

そう聞くと、ちょきを目にぺたと当ててキョトンとする。
瞬きに合わせてカニカニ。
まだやるか、可愛いを畳み掛けてくる。

「……、お前が負けたよな?」
「ええ、ユノヒョンの勝ちです」
「でもお前…嬉しそうだよな?」
「とんでもありません。南国じゃんけんに負けてすっげー悔しいです。」
「ふぅん?」
「さ、次の南国じゃんけんでリベンジしたいから早くシてください」
「ん、わかった。じゃー……」

ユノの視線が頭のてっぺんから額へ、頬に下り、唇を通って首筋からまた上に向かい額で止まった。

「ここ?」

うんうんするユノ。
額が好き?デコチュー??
…それは想定外だ。
勝っても負けても嬉しい遊び。
ユノならまず唇にシてくれるだろうと踏んでいたのに。



だけど、次の言葉に、遊びは終わりだってことを知る。







「俺は、お前の頭ん中の痛いとこにチューしてあげたいんだけど

                                   …どーやってしようか」







さっきまでちょきだった手が伸びてきて、僕の頭を撫でる。
髪に優しく絡んだ。










                東方神起が歩みを止める。


…そんな期間に、もうすぐ入る。
寂しいけど、やるべきことだと思って準備はしてきた。


だけど、ユノの側にいられなくなる。
もっと言えば、僕じゃない誰かがユノの側にいる。
仕方のないことだと分かってはいるのに、割り切れない。


覚悟とか理解とか妥協とか、そんなもの、したくもなかった。



だけどユノは、それをしろと言う。
多分、僕らが一緒に過ごせるいちばん長い夜に。
手伝うからと。










「東方神起が再始動してからさ、半年は復帰の2文字でもつと思ってた。
でも、その後。 現状を超え続けるには、何が必要だったか…チャンミン、お前は知ってたか?」


突然の問いかけ。
その答えには、苦しい想いがたくさん詰まってる。


「……僕の成長です。」


ユノは目を細めて微笑む。
がんばったなって褒めるように、誇らしそうに。


「今の俺らが在るのは、あの時、お前が答えを見つけたからだ。」


見つけたというより、否応無く気付かされた、の方が正しい。
僕の隣には、ユノしかいないんだから。
生きる手本。そんな人なんだから。


「……またユノヒョンの背中を見てればできるんですか?」
「また、じゃねぇよ。 今回は、だ。 まず、お前にいーコト教えてやるよ。」
「いーコト、ですか…?」


なんか雲行きが怪しい…。こんな時は大抵が、脱力コースだ。
と思っていたら、ユノが僕にぱーを見せた。


「ぱーじゃねぇよ。5だ。」
「…ユノヒョン自ら説明してくれるなんて…珍しいですね。」
「いつもしてるじゃん」
「そう……………でしたっけ?ま、いいです。続きをどうぞ。」
「うん。5つあるからしっかり聞いとけ」
「…はい。」

「ひとつめー。
ちっちゃいユノがチャンミンの頭の中に住んでいる。」

「…………。」



脱力コースまっしぐら。

たまに…いや、結構な頻度で、高尚すぎて理解に苦しむ事を言うんだ、ユノは。
期待していないのが僕の顔からモロ分かりだろうに、ユノといえば自信ありげにニヤリして
指折り数えて言葉を詰む。



「ふたつめ。
ちっちゃいユノは郵便配達ができる。

みっつめ。
ちっちゃいユノに手紙を渡したら、ユノに届けてくれる。」



どうよ、とばかりにふふん、ドヤるユノ。



「4つめと、5つめは?」
「お手紙は毎日出せよと、出し忘れるなよ」
「最後は格言なんですね」


ユノは大きく頷いた。


…相変わらずだなと思う。
真面目な話かと思えば、こんなことを、適当なのか真面目なのか、分からない感じで言う。
だいたい、僕はリアリストだから。
メルヘン思考なんて持ち合わせてない。


だけど。


きっと、渡してしまうんだろうな。
ちっちゃいユノに、ユノへの手紙を。
そんでもって、しまった!僕はリアリストなんだから!ってなるんだろうな。





元気ですか?
ちゃんと食べてますか?
ゲガしていませんか?
毎日幸せですか?
笑ってますか?


僕は…恋しいです。

僕は…貴方の隣にいたいです。





「…それって、返信はないんですか?」
「えっ!……それは、なんだ、ウェブを見ろ」
「続きはウェブへシステム?」
「最新だからな。お前からの手紙には、活躍で応えてやるよ」
「なるほど。ユノヒョンらしいですね」

「あっ!!」

いきなり声を上げたかと思ったら、ユノが眉間を押さえる。

「どうしましたか! 痛いの? ユノヒョン?」

顔を覗き込む。

「今、ちっちゃいユノから連絡がきた!」
「……………は?」
「チャンミンは唇にチューしてほしかったんだよって言ってる」



………どうやら南国じゃんけんの話に戻ってきたらしい。
しかもその情報は…正しい。



「まさか、ユノヒョンが軌道修正するなんて…唐突も唐突、激しく唐突ですけど」
「なんかすげー失礼なこと言われてる気がするー」
「気のせいですよ」
「ならいいけど」
「ちっちゃいことは気にしない♪」
「ソレ、ワカチコワカチコ~♪」



ぷぷーっと二人で吹き出す。
深夜に何やってんだろうって思ったら、もっと笑えてくる。



「ちっちゃいユノにばっかり任せてらんないからな! 俺もチャンミンのお手伝いするぞ」

そう言ってユノは僕の頭の下に手を入れて引き寄せた。
こつんと額をぶつける。




唇に感じる息遣い。
あと少しでゼロの距離。



「痛いの痛いの、飛んでけ~」



天使の羽を生やしたちっちゃいユノが、きゃあと両手で両目を隠す。
でも、隙間を開けてチラ見。

ユノのマネする??いいと思う!賛成!賛成!

僕の頭ん中の痛いとこにパタパタ飛んでって、チューをした。


















* * *


翌朝。


「俺、じゃんけん弱いのかな。」

寝癖のついた頭。
肩にかろうじて止まるだけのシャツ。
結局続いた南国じゃんけん。
僕に負け続け、僕だけがチューできるとこにシまくったから。
どこもかしこも。


「そんなことないですよ。フツーのじゃんけんなら強いじゃないですか」

さらっと事実を捻じ曲げつつ、ユノのシャツを脱がせて丁寧に畳む。

「今日は昼まで撮影でしょ? まずシャワーして着替えてください」
「はーい。行ってくる」
「ちゃんとタオルで拭いてから出てきてくださいね」
「ワカテル」
「服出して置いておきますから」
「うん」


ばたん。

扉が閉まってから流れる動作で、
昨日のユノが染み込んだシャツは僕のカバンへ、ジップロック。






あ。
……。
…………。

いや、本気で信じてるわけじゃない。
ほんとだよ、ほんとに。


でも、まぁ…ありえないけど、…昨晩はうっかりメルヘンに片足突っ込んじゃったし。

今も頭の中にちっちゃいユノがいて、ユノと以心伝心できるとしたら…

万が一に備えて、口止めは必要のように、思う。







ちっちゃいユノ、ちっちゃいユノ、聞こえてる?

僕はヘンタイじゃないよ? でも…

ユノヒョンには…シーっですからね。








end..

※ *Esperanza* の チカ* さんとお題企画! 作品 『チャンミンの、シャツを着たら…。』をまだお読みで無い方はどうぞ!


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オチなし、お題関係なし、突っ走ってしましました(笑)
DOGEZA!!!! ←久しぶりw

久しぶりに時間に追われて書いたー。
でも楽しかったなー。リアル妄想。

皆さんも見たことあると思うけど、テラス席でチャンミン裸体、ユノシャツ、あれな!!!!←興奮
そこから妄想したら、前日の夜中の話になり…私の頭の中の二人はこうなりました。
書きたかった、休止前話。 ユノにフューチャーした話もかけるといいな。

ありがとうございました!!

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コメント

YUKAさ~~~~ん

私も1番拍手取れなかったじゃん!!!!どうしてくれるのよぉう!!(笑)
でもこのお話は私のよね?♪
二人の南国やり取り可愛すぎる~
あの写真はやばすぎたねお互いこんなに妄想が広がるなんてwww
ブラボー
是非是非ユノにフィーチャーしたお話書いてください♡

チカ* | 2016.09.26(Mon) 01:11:33 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>チカ* しゃん

もちろん、チカ*しゃんに捧げます(笑)
南国なー、とりあえずウチの2人はオフザケ大好きだからww
妄想って大事よね。きっと妄想中って顔が輝いていると思うんだ!!←力説
第二弾もやりましょ♪ 0時UPに間に合わなかったわたくしめが言うのもなんだけど!

YUKA | 2016.09.26(Mon) 01:17:52 | URL | EDIT
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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
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