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「ヒョン、帰りました!」

勢いよくドアを開けた。
僕の声だけが響く。
返事はない。

「…ユノヒョン?」

もう一度呼んでみる。
やっぱり僕の声しかしなかった。










     【僕らの、/04-1.】









カムバックの準備をしながらも、僕らはそれぞれの仕事をこなしていた。
昔ほどの忙しさではないけれど、充実した毎日だ。

そして、今日は、僕もユノも夕方からオフ。

だからてっきり家にいると思って、急いで帰ってきたのに。


ユノの姿はなかった。


普段は揃える靴も、今はぽいぽいと脱ぎ捨てて、ユノの部屋に向かう。
一応ノックをしてからゆっくり開け、顔だけのぞかせた。

綺麗な部屋。
ベッドだけがシワになっている。

前回僕が片づけてからもう一週間以上はたっているから、
家には寝に帰ってきているだけなのだろう。




そうだ、携帯!
ドアをしめて、ポケットから取り出す。


コール、5回目で繋がった。


『今どこにいますか?』
『おお、チャンミン~。スタジオにいるよ』

電話の向こうで音楽が流れている。
何の曲だろう。

『レッスン中ですか?』
『うん。あ、いや、俺のじゃなくて、ミンジュンのだけどな』
『…ミンジュン?』


思わず声が低くなる。

目にまでかかる長さの黒髪からのぞいた切れ長の瞳。
軽く開いた赤い唇に長くて綺麗な人差し指が触れているのが官能的だ。
肩からずり落ちそうなほど襟の大きな衣装から見える肌は、なめらかで美しいことが想像できる。
身長は180cm以上あるらしく、実物は男性的なビジュアルであるらしい。
けれど写真から感じる雰囲気は中世的で甘い。

そう、ミンジュンとは、つい先日、キュヒョンが送ってくれた写真の彼に他ならない。



『…チャンミン?聞こえてるかー?』
『あ、はい。すみません。なんでヒョンが参加してるんですか。休みでしょ?』
『そうなんだけど、ボイトレしようと思って来たら、ばったり社長に会って……ん?』


急にユノの声が遠くなった。
電話口を手でふさいだようだ。

微かに男性の声が聞こえる。

ミンジュンと話しているのだろうか。
僕と話している最中だというのに。


声が戻ってきた。

『ごめんな、チャンミン。電話聞こえずらいだろ? 今、スタジオ出るから』

間髪入れず答える。

『いえ、いいです。もう切りますから』
『……え?』

今度はユノの間が一瞬あいた。
その理由を考えることもなく言葉を継ぐ。

『そっちに向かいます』

ユノの返事を聞く前に電話を切り、玄関に置きっぱなしにしていたカバンから財布だけを取り出して、すぐにマンションを出た。




僕の前を通り過ぎていくタクシーを苛立たしい気持ちで見送る。

なぜこんなに急いでいるのだろう。
なぜ不安が胸を占めているのだろう。

なぜ、なぜなんだろう。

捕まらないタクシーを待つのは止めて、僕は走り出した。




“チャンミン、聞いた?練習生の間で話題になってるユノ先輩の新しい伝説”

キュヒョンは電話でそう切り出した。

近々デビューする青年がいるらしい。
ユノがスタジオへ練習に行っているとき、ビルのエントランスでばったり出会ったとか。
彼はユノの大ファンで、憧れのスターをいきなり目の前にして緊張で固まってしまったのだ。
ユノはそんなミンジュンを見て立ち止まり、彼のルックスから練習生であることに気付いたのか
爽やかな笑顔を浮かべて、まるで手本を見せるかのように深く腰を折った。
「東方神起のユノ・ユンホです。よろしくお願いします」
大きな声で挨拶をしたそうだ。
まさかユノの方からそんなきっちりとした挨拶をされるとは思っていなかったらしく、
彼はいたく動揺しながらも、ユノと同じように挨拶を返した。
ユノは“よくできました”と褒めるような満面の笑みで頷き、颯爽と去っていたとかなんとかなんとか。

ユノらしいといえばユノらしい。
皆をまとめるリーダーシップ。
自分に厳しいけど人には分け隔てなく優しい。
いつでも全力で手を抜かない徹底ぶりは、尊敬するしかない。
そんなユノを慕う後輩が多いのは知っている。

けれど僕が気になったのはそこじゃない。
その後だ。




エントランスを出たところで、車からヒチョルが降りてきた。

「ヒチョリヒョン!」

ユノはヒチョルの姿を見つけて走り寄る。
ヒチョルは両手を広げてユノを迎えた。
がっしり抱き合ったあと、何の話をしているか分からなかったが、ユノが爆笑したことに怒ったふりのヒチョルがユノの髪をぐちゃぐちゃにしようとし、そんなヒチョルから慌てて逃げるユノ…というジャレ合うシーンがあったとか。

もちろん彼もそれを見ていたわけで……
ユノの姿が見えなくなるまでずっと見ていたらしい。




“あいつ、絶対ユノ先輩のギャップにオチてるな”




キュヒョンのこの言葉が、僕の心をひどくざわつかせた。
そう……ミンジュンの心情が手に取るようにわかってしまったから。






ようやくスタジオのあるビルの前に着いた。
ゆっくり息を吸って乱れた呼吸を整える。



……僕は、何のためにここまで走ってきたのだろう。



額の汗をぬぐいながら、エントランスをくぐり抜けた。





続く


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オリジナルキャラ登場です。
韓国で人気らしい名前をいただきました。

今までのイチャラブは、スーパーナチュラルだったのです。
じ・つ・は!!
もちろん、私の脳内でだけですけど。

チャンミンは今回、ユノに抱く気持ちの名前に気付くのでしょうかね。
はてさて、波乱の予感がして参りました…

でもね、幸せな二人が好きだから。
私の脳内でも、ずっと幸せであってほしいのです。
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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
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