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一体、いくつまでお願いしてもいいんだろう。


「やっぱ、欲張ったらだめだよな……、と~っ!」
グラスからポタリと落ちた雫が短冊を濡らしたから、慌てて手で拭う。

「…逆効果じゃん」
ふやけた範囲が、広がっただけ。
親指と人差し指で摘み上げて、フーフーと息をふきかけてみる。


………。


…ま、願い事に差し障りはないはずだ。
そもそも、そんなことで聞いてくれないほど心が狭い神様なんて、いないに違いない。

にしても…僕は誰にお願いするんだろう。
黄金の液体を喉に流し込みながら、七夕について考えてみた。












【七夕と、僕の宣言。】












7月7日。七夕。
短冊と呼ばれる縦長の紙に願い事を書いて飾るという風習を知ったのは、数年前。
日本独特のイベントだから、この専用紙は韓国じゃ手に入らない。
そもそも、専用紙に書かなければいけないものなのか…


「……ま、何でもいっか」


そそ。
僕の願いを叶えてくれるのなら、何だっていい。
神でも仏でも悪魔でも。

って、悪魔はだめか。

七夕もあと数時間で終わる。
考えるのはやめて、さっさと願い事を書くべく…筆ペンを握った。





さて、一枚目。

【ユノが ずっと しあわせで ありますように】



縦書き、しかも日本語で書くのはたいへんだったけど、
…意外と上手に書けた。
日本滞在期間が長かったおかげだろう。

書けたことには満足がいったけれど、読み返しながら思う。

「見ず知らずの神様より、僕のほうがユノを幸せにできるんじゃない?」

ってことは、願掛けする必要もないわけで。
せっかく書いた短冊だけど、くしゃと丸めてぽいっと放った。
ゴミ箱のふちに当たって、カサリと音を立て、床に落ちる。

……ま、いっか。
うんと頷き、短冊に目を戻した。




気を取り直して、二枚目。

【ユノが あるきたい みちを すきなように あゆめますように】



よし、できた。
書きあがった短冊を親指と人差し指でつまんで、ぴらっとライトにかざす。

さっきより、まっすぐかけている。
……でも待てよ。
よくよく考えれば、現実に手を出せない神様には…これ、無理じゃない?
むしろ、直接的なサポートができる僕のほうが役に立つ気がしてきた。

「ねぇ?」

誰にともなく同意を求めつつ、くしゃくしゃっと丸めてぽいっと放る。
カサリと音がした。
またもや床に落ちたらしい。

不調だ。




次こそはの三枚目。

【ユノが むびょうそくさい、いつまでも げんきで いられ……】



って、おじいちゃんか!
書いている途中で思わずツッコミを入れてしまった。

……そもそも、神様でも神様じゃなくても、毎日ユノの面倒を見てもらいたくない。

「僕が見るし。」

せっかく使った四文字熟語だけど、却下。
丸めてぽいっと放る。

カサッ。
音がした。

またか。




今度こその、四枚目。

【ユノが いつまでも おおきな あいにつつまれて…】



手を止める。書いておいて何だけど……
それはつまり、神様に世界で一番ユノを愛してもいいよ、って許可を出すってこと?
いや、べつにいいけどさ。

「一番は僕じゃん?」

僕以上なんているわけがない。

くしゃっと丸めてぽいっと放る。
やっぱり、ゴミ箱には入らなかった。




五枚目。

【ユノが……】


…。
……。
………思い浮かばない。



「僕の力が及ばないことってなんだろう」



自問自答しながらペンを缶ビールに持ち替えて、開けっ放しのカーテンから見える星に目を向けた。
もちろん万能じゃないから、できないことはある。
でも、




    ユノの為にできないことがあるのだろうか。





何事も、起こるときには起こる。
望もうと、望むまいと。
重要なのは、そのときどうするかだ。
行動にこそ、真価が問われる。

ふかふかのソファーに足を上げ、胸の前で腕を組み
ぼんやりとそんなことに考えを巡らせはじめた。






















「…チャンミン」


聞き慣れた声に呼ばれる。
優しい優しい音。大好きな声。


「寝てんの?」


寝てませんよ。


「一人でこんなに飲んだの?」


夕方から休みだったんだからいいじゃないですか。
それより何でユノヒョンがウチいんの?
今日来るって言ってなかったし、ドラマの打ち合わせでしょ?


「…珍しく散らかってんな。…ん?」



カサカサ。

「……ん?えーと、ゆのが~、ずっと……、…。」

カサカサ…

「…これも?」

カサカサ…

「…これもか」

カサカサ…

「俺のことばっかりじゃん…」



一体何見て……




   ッあぁぁぁぁ       っ!!!





がばっと起き上がると、目の前にはスラリ長~い足。
見上げると、その手には、ゴミ箱から弾かれまくった、例の…くしゃくしゃの紙。



「か    っ手に見ないでくださいよ!!」


飛び上がるように手を伸ばして、慌ててユノの手から奪い取ろうとしたけれど
ひょいっと避けられてしまった。

キッと睨む僕。
ニヤリと笑うユノ。

もう一度、手を伸ばす僕。
ひょと避けるユノ。

舌打ちする僕。
ふふんと鼻を鳴らすユノ。


「焦るチャンミン、ゲット」
「別に焦ってないですから。ゲットもされてませんから。」


間髪おかずに返しながら、さっと床に目を向ける。
あるのは、ビールの缶と、ワインの瓶だけ。

一枚も落ちていない。

普段なら床にゴミを放置したままなんてありえないのに、
お酒が入っていたせいだろう……

恐ろしいことに、すべてユノの人差し指と中指に挟まされていた。





「これもらっていい?」

皺を伸ばしながら、僕に聞いてくる。
もちろん、

「だめです。」

許可するわけがない。

「えー、ケチ」

ユノは不満を唇を尖らせることで表現しながら、短冊をお尻のポケットにむぎゅと押し込んだ。

……をい、ちょっと待て。

「…ヒョン」
「うん?」
「今、だめっていいましたよね」
「だな」

うんと首を縦にふる。

「じゃぁなんで、ポケットに入れたんですか」
「持って帰るから」

…いやいやいやいや。会話、成立してる?

「韓国語すらできなくなりましたか…」
「それはさすがにねぇよ」

真面目に答えるユノ。

「返してください」
「あはは」
「笑うところじゃないですから」
「まぁまぁ、落ち着け」
「はぁ?落ちついてますけど。
 だいたい、ヒョンはいつも…    っ!」


ぴらり。

おもむろに、目の前に掲げられた、ピン札のように皺のない短冊。


絶句する僕。



「…こーれ。」

ユノはニヤニヤしながら左右に振る。
それは僕が最後に書いた、短冊だった。

「そもそもこれさ、お願いじゃなくて宣言だけど」
「……」
「俺って、だいぶ愛されてる?」
「……」
「ねぇ、チャンミナ?」

やけに嬉しそうな顔。
なんかムカつく。
だから、ぷいっとそっぽを向いて言ってやる。


「ユノヒョンの、とか書いてないし」
「……」
「勘違いにもほどがあります」


直後、ぎりしとソファーが軋んで体が傾く。
ユノに目を戻すと、いつの間にか、片手をソファーの背にかけたユノの腕と広い胸に囲まれていた。


「へぇ~。そういう意地悪言うの?」

斜め上から降ってきた、低い声。
ハラリと額から落ちたちょっと長めの前髪。
ふわっと香る、ユノの匂い。


なんだか、そんなでもないはずなのに、久しぶりな気がする。
髪の色もしばらく明るかったから、黒髪を見慣れないせいもあるだろう。
しかも、韓国に戻ってきてからのユノは、ほんとに、秒単位のスケジュールですかってくらいめちゃくちゃ忙しくて…
ツアー中はずっと一緒だったから、反動ってやつだ。
きっとそう。



だからだ。
何の脈絡もなくこんな行動に出たのは。



「…!」

ユノが驚いたように体を引こうとしたから、回した腕にもっと力を込めて、いやいやをするように顔を逞しい胸に押し付ける。

「チャンミン?」

急にどうしたんだってゆう怪訝そうな声。
プライベートでも仕事中でも、僕からスキンシップを取ることが多くなってきたとはいえ、ユノは慣れないらしい。
自分が他人に構う分には、苛立たしくなるくらい無頓着なくせに。

「…酔っぱらってるんです」
「そうなの?」
「嘘じゃないです」

そう。短冊を書きながらたくさん飲んだ。
ユノはくくくと笑って、僕の髪に指を絡めて梳く。

「じゃぁ、もっかい聞いてみようかな」
「何をですか」
「俺って、だいぶ愛されてる?」

……それか。

「ねぇ、チャンミナ?」

極上の甘さを含んだ声が僕に問いかける。
僕は顔を上げた。

その表情も、声とまったく同じで、甘ったるい気分になってくる。


「知ってるのに、言わせたいんですか」
「だって、俺の幸せを願ってくれてんだろ?」

短冊に書いたけど…

「幸せに関係あ…」
…るかもしれない。

「だって、好きな道歩けって言ったじゃん?」

短冊で言ったけど…

「道に関係あ…」
…るかもしれない。

「だって、このままじゃ健康に悪いだろ?」

短冊で祈ったけど…

「健康に関係あ…」
…るかもしれない。

「だって、チャンミナの愛に包まれたいし」

短冊で願ったけど…

「それれとこれとは関係あ…」
…るな。

「だって、俺と」
「あー、もういいです!」

まだ続けようとするユノを遮る。
言い負かされることなんてほぼ皆無だけど、今回ばかりはユノの手札が強すぎて、敵うわけない。

だから、





「……明日の朝…言ってあげます」





そう言ってみたはいいけれど、急に恥ずかしくなって、顔を隠す。
しかもじわじわとやってくる、後悔。

ユノのため、ユノのためと言いながら、結局は自分のためかもしれない。
短冊に書いたことも全部全部、押しつけがましい自己満足と独占欲。
今日だって、たぶん僕の顔を見に寄ってくれただけだ。
なのに、僕ってば…欲が深すぎる。


だけど、そんな負の思考の入り口に立った僕を、ユノは簡単に呼び戻した。





「ありがとう、チャンミナ。」

ひとつひとつの言葉に込められた、愛と幸せと感謝。
ただ降り注いで僕のカラダに染み渡ってゆく。



短冊をくしゃくしゃにした意味も、
短冊に宣言した理由も、
僕の気持ちも、ぜんぶぜんぶ、分かってくれてるんだ。



そろりと顔を上げると、少女漫画から出てきた王子様みたいに、背景に煌めきを背負ったユノの唇が落ちてくる。
僕は、目を閉じるのが惜しいと思いながら、それを受け止めた。













        いつも ぼくが そばにいます。        


それは、僕の願いであり、ユノへの誓い。
7月7日。七夕。











end..

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忙しいユノさん。
顔を見に寄っただけって分かってるけど、もっと一緒にいたいチャンミンさん。
遠回しに言ってみる的な可愛さ。

くぅーっ!!←

宣言の短冊も、ユノさんがお持ち帰りして、宝箱に大切に保管されていることでしょう。
妄想中、黒髪ユノさんだったわけですが、イケメンすぎて…美しすぎて…貴公子すぎて…死にそうでした…
そして、チャンミンさんにめっちゃ感謝しています。特に最近は萌えの投下と合わせて、大感謝祭です。
ユノのそばにいてくれて、ありがとう。チャンミンも大好きなんだ。

ときに、もう冬ですね…7月に書き始めたのに、書き終わるのが10月って…長かった。イエス。


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コメント

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| 2014.10.18(Sat) 22:11:31 | | EDIT

チャンミン(*⌒▽⌒*)

ありがとうごさいます(^-^)
チャンミンの漏れ漏れな愛を書いてくれて嬉しいです。早く2人揃った姿が見たいですね(>_<)ゞ
ファンミはハズレたので行けないんですが、新曲の頃だしテレビに出るかな?ちょっと期待(^_^)

スカイ | 2014.10.19(Sun) 09:39:17 | URL | EDIT

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| 2014.10.20(Mon) 22:16:26 | | EDIT

ありがとうございます。

>バビコさん
ご無沙汰しております!
だいぶ更新してないから…お返事見てくださることは叶わないかもしれないけど…
メッセージありがとうございました!
やりとりオシャレw そんな風に感じていただけるとは斬新!
ある意味チャンミンは最強のユノペンだと思っているので、ユノペンの私の妄想と同じ妄想を抱いているバビコさんには、自分の頭のなか…って感じていただけたのかもしれませんねー。
ふふ。こちらこそ、いつもありがとうございます!

YUKA | 2015.04.04(Sat) 11:50:55 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>スカイさん
ご無沙汰しております。長い間更新もせずだったので、返信をみていただけるかわかりませんが
いつもありがとうございました!!
ファンミ…私もはずれ、オーラスはライブビューイング、そしてアニバーサリーイベントは
横アリGETできたことがないので、戦々恐々としています(笑)
でも、二人への愛は永遠だから、万が一にも外れても、お話をカキカキしながら参戦しますYO!

YUKA | 2015.04.04(Sat) 11:54:24 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>PUKさん
キュン死!!久しぶりにその言葉を聞いて…すんなりきました。
そうだ、そうだ、私がユノとチャンミンが寄り添っているだけで、キュン死してるんだ!!って(笑)
しかも、自分でお話を書いて、テンション上がって、キュン死している私←
でも自分でキュン死できないなら、読者様もできないだろうから、その線で更新頑張ります!

YUKA | 2015.04.04(Sat) 11:57:38 | URL | EDIT
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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
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