上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tare.gif 【タレソカ学園高校/07.】






あれから僕は、結局生徒会室に顔を出さなかった。



じゃぁ、何をしていたのかというと、
長く居座ってみれば案外居心地のいい東屋のベンチに寝転がって、
ひたすら目を閉じていただけ。


…いや、“だけ”というのは正しくない。
なんとかして眠ろうとしていた。


頬をつねってみても覚めなかったこの夢。
けれど、次に目が覚めた時には、いつものように隣でユノが眠っているかもしれない。

そう思ったから…。
でも、



「……、クソっ…」



一向にまどろみの時間は訪れない。
オレンジ色に変わった空はとても綺麗なのに、僕の心には真っ黒な闇がじわじわ広がっていくようで
苛立ちだけが募っていた。




所詮、夢の世界。
ユノと、顔見知り程度でも別にいい。
ユノが、他の誰かのものでも構わない。
ユノが、僕の傍にいてくれなくても大丈夫。

そう思いたいのに、なんで出来ないんだろう。

自分自身に問いかけていた。













そのとき、


カツン。
靴音が鳴る。



「優等生君がこんなところで、なぁ~にしてんの?」



頭上から降ってきた、聞き覚えのない声。

目だけを向けると、胸元にぶら下がったクロスのネックレスに焦点が合った。
催眠術で使う振り子みたいに、ぶらーんぶらーんと揺れている。
もしかして僕をまどろみへと誘う為にやってきた救世主……なわけないか。

ネックレスから視線を外してさらに上へ向けると、
特にこれといって特筆すべき特徴のない顔立ちをした少年が僕を見下ろしていた。



「寝てるように見えない?」



友人といった気安さではなくて、完全に見下しているような雰囲気だったから
心がブラックに侵食されている最中である僕の声が尖ってしまうのも仕方がないだろう。



「…あー…、俺、頭悪いからわかんなかったわぁ」


さっきよりも幾分低い声。明らかな棘が生まれた。
喧嘩を売ったつもりはないのだけれど…
そこに、

「なになに、どーしたの?」

他にも声が加わる。
一人ではなかったようだ。カツン、カツン、カツン、カツン…僕を見下ろす顔が5人に増えた。
ぐるっと囲まれて、そこで初めて気づく。
彼らの制服の淵は赤。つまり2年。ここでは僕の先輩なのだ。


「おっ、話題の総代君じゃん」
「ほんとだぁ」
「なんでこんなとこいんの?」
「昼寝してんだと」
「あっれ~俺らに許可なく使っちゃだめでしょ~」
「使用料どうしよっかぁ」
「カンニングの方法教えてもらうとか?」
「ふはは。それ聞きてーっ」
「あ、そうだっ!特別サービスで逆に俺らが教えてやろーか」
「先輩への礼儀ってやつ?」
「そうそう」
「お前、超頭イイー」


彼らの会話の半分も理解できてはいなかったけれど、
かろうじて学園ドラマでよくある「絡まれる」を体験しているらしいことは分かった。

ユノがオーディションを受けに来たときに絡まれたという話を聞いて
怖いことがあるんだな~くらいにしか思っていなかったのだけれど、
まさか、こんなところで初体験する羽目になろうとは。


でも、僕は大人で彼らは高校生。
高校時代なら間違いなく焦るだろうけれど、今の僕が高校生ごときに絡まれたところでビビるわけもなく、
話でしか聞いたことのなかった状況が思わぬところから生まれて、興味すらあった。

とはいえ、彼らに付き合うつもりはまったくない。
ちょっと僕からふっかけた感はあるんだけど…


「すぐ帰るんで」


気だるい体をさっと起こして立ち上がる。
すると、口々に好きなことを話していた全員の口が止まって
まるでテレパシーで意思疎通しているかのように顔を見合わせた。

なんだか雲行きが怪しい…。

こんな面倒に巻き込まれるなんて今日は踏んだりけったりだ。
さっさと退散してしまおう。
そう思って円陣の間から抜け出そうとしたけれど、その際に少しだけ肩がぶつかった。


「痛っ!!」


大げさなリアクションと共に肩を押さえてふらつく一人の男子生徒。

僕は呆れて声も出なかった。
…どんだけベタな展開!?
こんなくだらない小芝居のために目配せし合っていたのだろうか。

クロスのネックレスをつけた彼…クロス君と呼ぼう。
クロス君は肩を押さえている生徒の手の甲に手のひらを重ねて、労わるように撫でる。
それから可愛らしく小首を傾げて、僕に向かって勝ち誇ったように笑んだ。



「あ~ぁ。こーゆうときはどうするんだけ? 頭のいいボクなら分かるよね?」



ニヤニヤと笑う5つの顔。
つまりなんだ、謝れということか。

「すいませんでした」

悩むまでもなく即、謝罪を口にする。
けれどクロス君は

「セイイってヤツが足りねーよ」

尊大な口調でそう言うと僕の肩を拳で強く押して、彼らの囲う輪の中心に押しやった。

「こいつの肩が治るまで、カバン持ちやれよ。ついでに俺らの分も持つよな?」

その言葉を合図に、全員が持っていたカバンを僕に向かって投げる。
バサバサバサ…体に当たったカバンは、アニメみたいな音を立てて、足下に落ちた。


「こんな軟弱そうなヤツに全部持てんのかねぇ」
「逆に鍛えられていいんじゃね?」
「そうそう、感謝されてもいいくらいだって」
「でも一応総代じゃん。ユンホ先輩に告げ口されたらどうする?」
「大丈夫、大丈夫。こんなの相手にするわけないって」
「それもそ~だな」
「あ!いいこと思いついた!!」
「なになに?」
「ユンホ先輩のためにも、俺らでコイツ、立派なパシリに躾けてやればいいんじゃね?」
「っはは。立派なパシリってなんだよ」
「呼び出されたら5分以内で来るとか、許可したときだけしか口開かないとか?」
「理想のパシリじゃ~ん」


それぞれが、僕とユノをネタに楽しそうに笑っている。
普段ならこの程度、心の乱れすらなく平常心で聞き流せるのに


    相手にするわけない、か…。


今ばかりは彼らの言葉が、ひどく気に障った。
じわじわ侵食されていた心が、一気にブラックに染められる。





「……後輩イビリなんてダサいことしてんなよ」





ため息と共に感情を吐き出した瞬間、凄い勢いで胸倉を掴まれた。


「はぁ、お前今なんつった?」

クロス君が目を三角にして僕を睨みつける。

「頭だけじゃなくて耳も悪いんですね。…それに顔も…うーん、残念」

これでもかという笑顔を顔に貼り付けておく。

彼らに付き合うつもりはないと言っておきながら僕は、この状況を回避しようなどとは、もう考えていなかった。
むしろ喧嘩する気満々だったと言ってもいい。
この黒い気持ちを消し去るのにちょうどいい憂さ晴らしが目の前にある、そんな程度の感覚。

「テメェ、殴られたいのか!?」
「一発だけ貰ってあげますよ。遠慮なくどうぞ?」
「…っ!」

顔を赤くしたクロス君が大きく腕を振りかぶる様を、僕はただ見ていた。
とりあえず衝撃に備えて、目をつむって歯を食いしばっておいたほうがいいのだろうか。

そんなことを考えていたら、





「そこまでだ」




凛とした声が割り込んだ。
目の前にはクロス君の腕を掴んだユノがいて    



僕は、喧嘩寸前の状況を作った自分の行動を、この一瞬で死ぬほど後悔していた。










続く


↓ランキング参加中です。楽しんで頂けましたらポチっと。励みになります!!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村


あけましておめでとうございます!
本年も張り切って妄想を楽しみます♪ みなさま、どうぞよろしくお付き合いくださると嬉しいです。
そして、昨年、みなさんと2人からいただいた幸せは、しっかり返していきます!!

日産DVD、韓国のカムバ、Catch me Production Note、2人の声・言葉を聞けて年末年始は幸せ過ぎました…///
7集も来るし、日本でも新曲、アルバム、ツアー…楽しみすぎますね!
日本でも、韓国でも、世界でも、もっともっと2人の幸せを願う人が増えますように!!!
スポンサーサイト
コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| 2014.01.06(Mon) 21:35:36 | | EDIT

あけましておめでとうございます。

>あやっち さん

こんばんは!今年も遊びにきていただいてありがとうございます♪
そして新年一発目から失礼いたしました(汗)あそこは目立ちますねwww ご指摘に激しく動揺して速効修正いたしました。本当にお知らせいただいてありがとうございますー!!
誤植には気をつけていたのですが…古いお話を掘り返すとざくざくしてそうで…恐ろしいです(笑)本当に助かりました!!重ねてありがとうございます!!
そして、こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします≧▽≦
チャンミン君が心の平穏を取り戻せる日も近いかと存じます♪もうしばらく見守ってあげてください^^

YUKA | 2014.01.06(Mon) 23:25:48 | URL | EDIT
コメントを投稿する
 
 
 
 
 
 
 
 
トラックバック

プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。