tare.gif 【タレソカ学園高校/05.】







始業式が終わったあと、僕はユノと話すことができなかった。
なぜなら、副会長が「ホールムールが終わったら生徒会室に来てください」とだけ冷ややかに言い残して
ユノを連れ去ってしまったから。

僕は力を込めてひねりすぎた頬をさすりながら、それを見送るしかなくて……








…で、僕は、教室という言葉で言い表してもいいのか悩んでしまうような部屋でホームルームに出て、
今、生徒会室の前にいる………というわけではない。
じつは、ホームルームに出たまではいいけれど、生徒会室に向かう途中で迷子になっていた。

『まっすぐ行たら右手に独立した洋館があるから。そこが生徒会の建物だよ』
そうキュヒョンは言っていたのに、そんな建物なんか見えてこない。
さっきから変わらない光景。だだっ広い芝生と宮殿みたいな建物が続くだけ。
しかも[1号館]とか[職員室]とか[生徒会室]とか、そういったネームプレートや敷地内の地図は皆無。
迷子に親切なサービスなど一切なかった。
景観にそぐわないものは設置しない方針に違いない。


「あー、もう。どこだよ!」


分からないまま歩いても仕方がないと思い直して、いったん立ち止まり、前後左右、
それらしい建物がないかじっくり眺める。
人っ子一人いない…と思われたけれど、遠くの方に赤い制服を見つけた。
生徒会役員だ!
ついていけば生徒会室に辿り着ける、そう思って全力で走り出したはいいけれど、
シルエットがはっきりしてくるにつれ、それが誰だかわかってしまった。


そんな人物、一人しかいない。
ユノだ。


始業式前の僕なら、とびつかんばかりの勢いで声をかけていたはずだ。
でも、思い知らされた事実が…僕の足を止めていた。

とはいえ、生徒会室に向かっている時点で、ユノに会いに行っているようなものなのだから
行動と気持ちの矛盾はよく分かっている。

だから、生徒会室に行かなければいけないという義務感を盾に僕は、
気づかれないようにユノを追いかけた。











向かう先に見えてきたのは、木々…というより森。
生徒会室はこんなところにあるのだろうか。
森のなかにあるだなんて聞いていない。


ちょっと不審に思いながらも進んでゆくと、重なり合った枝葉の隙間から降り注ぐ光を浴びる
これまた煌びやかな建物が見えてきた。
東屋を装飾してみましたといった感じだ。


その中に女の子が一人…

ユノはまっすぐ歩く。
そして…彼女の前で、立ち止まった。



まさか、あの子に会いに来たの?
…誰?
ユノの何?



もう一歩近づこうと足を踏み出す前に、ちょっと震えた可愛らしい声が聞こえてきた。
盗み聞きはよくないと思いながらも僕は、その場に身を潜ませて二人の様子を伺う。








「ユンホ先輩…」

ユノの名前を呟く彼女の瞳は、今にも泣きだしてしまいそうに潤んでいた。
そんな瞳を捧げられて、ユノはどんな顔をしているのだろうか。
すごく気になった。
でも僕からじゃ、ユノの背中しか見えない。


「手紙くれたね。ありがとう」
涼やかな声。

「…いえ、そんな…あの、来てくださってありがとうございます…」
胸の前で震える両手をぎゅっと握りしめる姿からは、ユノへの想いが十分に伝わってきた。
彼女の気持ちがよく分かるからこそ、僕の胸中も恐ろしいほどにざわめき立つ。

「君の気持は嬉…」
ユノがそう口にしかけたとき…彼女の顔がサッと曇り…
直後、まるでぶつかるみたいにしてユノの腕の中に飛び込んだ。





      !!


ユノに絡みつく華奢で白い腕。


     デジャブ。





心臓を握りつぶされたような痛みを感じて、歯を食いしばる。
目を閉じたい。
見ていたくない。

なのに、僕は目を瞑ることも、反らすこともしなかった。
たとえ目を閉じたとしても、瞼の裏に焼き付いて離れないことを知っているから。



彼女はユノにしがみついたまま、20cmは上にある顔を見上げる。
ユノは振り払わない。それどころか、平然と受け止めているようにすら見えた。


「すいません、あの、先に言わせてください!!
 私………ずっとユンホ先輩が好きでした。
 私のこと知らないと思いますけど、でもその分、私がたくさんたくさん、ユンホ先輩のこと好きだから…
 付き合ってくれませんか…?」
「君のことは知ってるよ。陸上の特待生だよね」
「はいっ!…嬉しいです…」
「でも、ごめんね。付き合うことはできない」


優しい優しいユノの声。
ずっと堪えていたのか、彼女の瞳からぶわっと溢れた涙が溢れ、静かに頬を伝った。


僕は…嫌な奴だ。
ユノの穏やかな声を聞いて、泣いている彼女を見て、ほっとしている。

でも、


「…………副会長とお付き合いされているからですか?」


彼女が涙も拭わずに発した言葉に耳を疑った。



   え、なんて?
今何て言った??

ユノが、…ユノが副会長と  
いや、そんなわけない。

   でも、そんなこと言い切れる?
…言い切れるわけがない。


格好良いのに可愛い、優しいのに頼りになる、人を幸せにする笑顔を持つユノ。
欲目でも何でもなく、モテる要素しかないじゃないか。

何より、この世界にユノを縛るものなんて、何ひとつない。





『付き合ってるよ。』





もしもそう言われたら、どうすればいいんだろう。
息をするのも忘れて、僕は次に飛び出してくるであろう言葉に怯える。






けれど、

ユノは肯定も否定もしなかった。









続く

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読み返していて、ヒドイナコレ!!って自分でツッコミ、
手を入れ直したら、2部に分れてしましました。
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| 2013.12.17(Tue) 17:43:50 | | EDIT

ありがとうございます。

>ゆうき さん

こんにちは!すみません><ゆうきさんに頂いたコメントで初めて投稿されていることを知りました…(笑)
いや、ほんと書き途中ですみませんでした!でもおかげで気付きました…!!!

安定の電車wありがとうございます(笑)いやー、怒られちゃいますよ、こんな展開…と思いながらも、私が耐えられないので、そんなに続かないと思いますw

USJね!!私もまさかあの二人があれのために登場するとは思ってもいませんでした…驚愕。
空港の情報を知ってまさかの!!で駆けつけたファンもいらっしゃったでしょうね。
ライブビューイングも倍率、恐ろしいとしか言いようがない!ですが当たりますよう祈っております。2人分の祈りじゃ足りないかしら…(笑)

昔のアルバム、私も聞いてますよ♪今年の5月から出てるものほぼGETしましたからw
でもやっぱ今が好きかな~。なんせおっしゃる通りユノの歌声がたくさん聞けるし、カメラにもたくさん映るしw結局ユノの声も姿もたっくさん欲しいのですっ!
5人の歌もやっぱイイし上手いなぁと思うけど、声とか歌ってる姿とか含めて2人がいいっ♪映像見ててもホミンしてほしくウズウズしちゃうww
「どうして君を好きになってしまったんだろう」とか「Love in the Ice」とか2人で歌ってくれないかなー…もぅホミンが最高≧▽≦

で、重要なチケ当落発表がやってきますね…私どもにどうか、あたりますように…あたりますように!!

YUKA | 2013.12.19(Thu) 13:17:28 | URL | EDIT

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| 2013.12.28(Sat) 23:33:33 | | EDIT

ありがとうございます。

>蒼い夜 さん
こんばんはー!コメント二度も書き込みしてくださったのですねー><ありがとうございます!
ライブビューイングよかったみたいですね!!私はもっぱらネットで情報収集してます(笑)仕事の都合がつかず意気消沈してましたが、みなさんの素敵情報でウハウハしちゃってます♪
7集も新曲もアルバムもツアーもあるし、来年も東方神起尽くしでしょうね~はぁ、幸せ≧▽≦

タレ学!略すのいいですねww 私も略そうw ぜんぜん進んでませんが、こっちもゆるりと書いている最中なので、来年もがんばりまっす♪

YUKA | 2013.12.31(Tue) 00:05:43 | URL | EDIT
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YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。