tare.gif 【タレソカ学園高校/04.】






目の前には、さっきまで後頭部しか見えていなかった生徒の顔が、ズラ〜リ。
1800×2の目が僕に向いていた。

夢の中でまで目立つことはしたくない、そう思っていたのに…






遡ること数分前。


「笑えない」

キュヒョンの肩にガシッと腕を回して、隠れるように顔を伏せる。

「ったく、ほんとユーモアのセンスないんだから」
「とりあえず説明しろ」

キュヒョンはムカつくほど気の毒そうに僕を見てから、親指で僕を、人差し指で舞台を指した。

「だーかーらー、お前が首席。つまり総代。俺の知ってる流れだと、あそこで挨拶して始業式終わり」
「…俺?」
「一人称変わってるぞ」
「何の挨拶?」
「抱負かな」
「総代として?」
「そうだぃ」

キュヒョンはまた巧いこと言っちゃった♪ みたいな得意顔をする。
いい加減イラっとしたから、ごちんと頭突きを食らわせてやった。

直後、素敵なアイディアが閃く。
辞退という名のスルーという手があるじゃないか!

「なー、キュヒョナ、」
「ユンホ先輩とお近づきになれるのに?」

そんな閃きなどお見通しだったようで、キュヒョンは頭をさすりながら
まるで準備していたかのようなひと言を僕に投げかけたのだった。


くらっ(誘惑)
……(妄想)
YES!!(実践)


そんなわけで僕は今、舞台の中央でマイクを握っている。








講堂全体をぐるりと見渡してから、ひとつ息をついた。
ここに立った以上、やるなら完璧に。


僕は、広告写真を撮るときのような笑顔を浮かべた。
あとは謙虚になりすぎず、媚びることなく、自分を演出すればいい。

息を吸う。


『はじめまして、チェガン・チャンミンです。』

マイクを通した声が講堂に響く。

『僕は、学年の総代いう仕事に初めて携わります。
 至らないところもたくさんあると思いますが、
 みなさんの学校生活の充実と向上を図るために
 また、思い出に残る学校行事を企画運営できるように
 精一杯先輩方をサポートしていきます。
 頑張りますので、生徒会に応援とご協力をよろしくお願いします』

最後まで口にし終えてから、深めに頭を下げた。


顔を上げたら、シンとしていた講堂にざわめきと拍手が起こる。
挨拶は上手くいったみたいだ。



ヒョン、どうでしたか?

つい、いつもの調子で振り向いてしまうけれど、ばっちり目が合ったのは、ユノではなく僕の斜め後ろにいた副会長だった。
メガネの奥で大きく見開かれた瞳から驚きが伝わってくる。
たどたどしい挨拶でも想定していたのだろうか。

「マイク、お返しします」

差し出しながらそう声をかけると、我に返った様子で僕から目を逸らし

「…、ヨンシクさんの隣へどうぞ」

そう僕を促してマイクを取った。
副会長は僕と入れ替わるように前に出て話し始める。
連絡事項のようだ。

僕はといえばヨンシクなる人物が誰だか分からなくて、立ち位置で迷子。




「チャンミン、チャンミン」

聞き慣れた声が僕を呼ぶ。
トクンと鳴る、分かりやすい僕の心臓。
名前を呼ばれるくらい特別なことでもないのに、なんで今日に限ってこんなに反応するんだろう。


ユノが僕を手招きしていた。
冷静な頭が「そっちは違うよ」って言うけれど、僕の足は当たり前のようにユノへと向かう。

ユノの隣。僕にとっては慣れた立ち位置っけれど、明らかに副会長が指定した位置ではない。
普通に考えても、生徒会長の隣に1年の僕がいたら絶対おかしいし。
しかも高等部すべての生徒が見ている場所だ。上下関係を無視するような軽率な行動は控えてしかるべきである。

それを分かっていながら僕は全部を無視して、手招きされるままユノの空けてくれたスペースにおさまった。





「さっきのスピーチ、よかったよ」

僕が隣に立つなり、なぜか笑い含んだ声でこそっと囁かれる。
その理由はすぐに分かった。

「でもさ、お前…カッコイイくせに後ろがピコピコ跳ねてて…直す時間なかったわけ?」

ユノは僕の頭の後ろに手を回して、髪を梳いた。
その瞬間、恐ろしいほどにざわつく講堂。
全員の目が副会長を通り越して、僕らに刺さる。

普段なら短く返して会話を終わらせるけれど、なぜかこのときの僕はもっと会場を沸かせるような行動をとっていた。
具体的に言うと、ユノの耳元に唇を寄せてコソコソ話を続行するという、行為。


「ハネたいお年頃なので仕方ないんです」
「それは毎朝大変だな~」
「ええ、でも水をあげると素直になるんですよ」
「じゃぁ今朝は水やり忘れたの?」
「そうなんです。でも今は結構機嫌いいと思います」
「その割りには、言うこと聞いてくれないけど」


直しても頑なに元に戻る髪を引っ張って、ユノは笑った。
キラキラ。キラキラ。
そんな表現がしっくりくる笑顔。
ポロリと本音がこぼれていた。


「ユノヒョンが側にいるから嬉しくて…テンション上がった所為かもしれないですね」


まんまるになった目に僕が映る。

髪の毛の話だと思っているのか、僕の気持ちだって気付いているのか、
それとも僕がヒョンと呼んだことに驚いているのかわからなかったけれど、
すぐに、やさしいやさしい三日月形になった。

「なんか、チャンミンて……イメージ違うな」

ユノはそう言うと首を15度くらい傾けて、ぱしぱしと瞬きしながら僕を見つめた。




そのとき、神経質な声が割り込んでくる。

「ユンホ君。閉会の挨拶お願いできるかしら」

ユノの視線はいとも簡単にスッと僕から外れて、副会長に向いた。
綺麗な指がマイクを受け取ると、一歩前に出て会場を見渡す。


その瞬間、
ユノの中から僕が消えた     そんな風に感じた。





こんなこと、今まで1度もなかったのに。

そして思い知る。
これが、この世界における僕とユノとの関係なんだって。



誰にでも親切で、誰にでも優しくて、誰にでも笑いかける優しいユノの、“誰にでも”に当てはまる存在。
ユノの視界に入っているときだけしか、ユノの中に存在できない。そんな程度。

現実の僕がどれだけ特別扱いされていたのか…良く分かった。





     こんな夢、早く終わればいいのに。





ほっぺをつねったら、ちっとも優しくないこの夢から目覚めるだろうか…

僕は、右手を頬に伸ばした。








続く

↓ランキング参加中です。楽しんで頂けましたらポチっと。励みになります!!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村


シリアス方面に進みそうな二人…
らぶイチャはしばらくスペシャルの方にお任せしましょう。
いや、でも、私は求めている!らぶイチャをっ!!

私事ですが、ブログのヘッダー画像作りに燃えていたり。
なんだろうなー。モデル神起も好きだけど、やっぱりライブ中の表情が、いちばん胸がトキメクの。
もう日産DVDとか…もうもう、楽しみすぎる!!!

スポンサーサイト
コメント

こんにちは

チャンミンがユノに夢中で共感率高すぎて!(*^O^*)わーい!
ユノの中から消えない存在になれるかな?
チャンミンが妄想していた内容をしりたいです(笑)

ユノ大好き! | 2013.12.07(Sat) 03:46:45 | URL | EDIT

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| 2013.12.07(Sat) 15:13:39 | | EDIT

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| 2013.12.08(Sun) 22:37:16 | | EDIT

ありがとうございます。

>ユノ大好き!さん
こんにちは!コメントありがとうございます~私もユノが大好きです!!
特にチャンミンに笑いかけてる姿とか、もう、心がほくほくしてもっともっと!って催促しちゃいます(笑)
夢の中でだってユノヒョンの心は掴めちゃいますよ。あんなに可愛いんですもの。
でも、妄想の内容はこんな公の場では公表できないことまで含まれているにちがいありませんw

YUKA | 2013.12.09(Mon) 16:38:26 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>ゆうきさん
こんにちは!今日もありがとうございますー!素敵テンションのメッセージに癒されます♪
当分シリアス…にならないように、チャミ様にはがんばっていただきたいところです…!
お話より、確かにリアルの方が漏れ漏れでもうたまりませんよね(笑)ほんとユノといるときのチャンミンは乙女&美人っぷりに磨きが!空港写真、完全なるどっかの国の王子でした。二次元も真っ青w
にしてもティッシュw日本のは質が高いから使い心地がいいのかしらって、みんな思ってたでしょうねw

今年の運、あとどれくらい残っているのか、年末に判明しますね…我らに運を!!!!

YUKA | 2013.12.09(Mon) 16:47:27 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>あやっちさん
こんにちは!コメントありがとうございます~♪そうなんです、ちょっとパラレルっぽいお話始めてみました。
相当な見切り発車で先が見えないというワナをなんとか回避しつつたまにできなくて、更新頻度落ちてます(笑)
チャミ様への応援ありがとうございます!いつでもどこでもユノのそばで助けてくれると思います!そんなチャミさまに会長が惚れないわけないですよねぇ。うんうん。

ライブツアー…ほんと、当たれば天国、外れたら…年末はやけ食い地獄。
日産DVDをもってしても、癒しきれないと思います!が、そうですね!!皆様がレッドオーシャンの一部になれますように!!

YUKA | 2013.12.09(Mon) 16:53:01 | URL | EDIT
コメントを投稿する
 
 
 
 
 
 
 
 
トラックバック

プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。