上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tare.gif 【タレソカ学園高校/03.】






舞台の右手から、赤い服の集団が現れた。

直後、始業式が始まる前とは明らかに種類の違うざわめきが講堂を包む。
口々に想いを叫ばないだけで…まぎれもない、密やかな歓喜。

今ばかりは、僕もその一員となっていた。



「……ユノヒョン!?」



顔がはっきり見えるわけではない。
けれど、醸し出すオーラはユノとしか思えなかった。
視線を固定したまま、キュヒョンの腕を揺さぶる。


「キュヒョナ、キュヒョナ、ユノヒョンがいる!」
「ちょっ、わかったから!!静かにしろよ!」


しーっと人差し指を口元に当てて、テンションの上がった僕を窘めた。

そういえば、今朝だってキュヒョンはユノを知っていたじゃないか。
なんで気づかなかったのだろう。
最初からユノはここにいたのだ。


「なんであそこにいんの!?始業式終わったら話せる?」
「わ、わかったから、落ち着け。だいたい、ユンホ先輩をヒョンて……
 今までお前の口からユンホ先輩のユの字も聞いたことなかったのに」


僕の前のめりな勢いに、キュヒョンは若干引き気味になりながら困惑に満ちた声で呟いた。
言い方から察するに、僕とユノはまったく親しくなかったようだ。
ユノに興味がない僕がここに存在していたなんて信じられない。

「いきなりだもんなぁ。昨日の夜から寝言でユノヒョン、ユノヒョンって連呼しだすし
 その…ユンホ先輩と…だかわかんないけどアダルトな夢見てるし、…起きたら起きたで記憶障害だし…」

また、ぽっと頬を赤く染めるキュヒョン。
僕は一体どんな寝言を言っていたのだろう。

ちょっと気になったけれど、それよりも今はユノの情報が欲しかった。

「キュヒョナ!」
「…はいはい。まぁ、たしかにユンホ先輩のこと…ってゆうか、生徒会のことは知っといたほうがいいしな」
「生徒会?なんで?」
「説明するから、まぁ聞けよ」

キュヒョンは耳を寄せろととばかりに指をくいくいと曲げて僕を呼ぶ。
本格的な内緒話の態勢だ。


「まず、赤い制服を着た人たちは、高等部の生徒会執行役員だ。去年の冬に発足したんだったかな」
「じゃぁユノヒョンも生徒会なんだ」
「そうそう。生徒会は3年のみで構成されてて、会長はユンホ先輩。あと副会長、文化部委員長、
 運動部委員長、会計の5人なんだけど…ほら、もう一人いるだろ」


そう言われて前に目を向ける。
中央では高そうなグレーのスーツを着た紳士が話していた。
たぶん、始業式恒例の挨拶中だ。とりあえず音声は右から左へ。
その後方には一番左にユノ、それから赤服が続き、一番右端にキュヒョンの言う「もう一人」らしき人物がいた。
赤服の軍団に混じっていると、恐ろしく目立たない。


「えーっと、…僕らと同じ制服の人?」
「そ。この学園の伝統で、1、2学年の首席は各学年の総代として副会長の下で補佐的な仕事するんだよ。
 言ってみれば、来年の生徒会候補生ってとこだな」
「へぇ~。じゃぁ、ユノヒョンも首席からの生徒会入り?」
「いや、ユンホ先輩は次席。首席は副会長だよ。1年の時も、2年の時も。ほら、ユンホ先輩の隣にいる人」
「ああ、黒髪ロングの…ふぅん」


たしかに、ユノは勉強も全力で頑張るだろうけれど、歴史とか暗記の類は苦手そうだ。


「生徒会は人気投票みたいなもんだからな。
 ユンホ先輩はいわずと知れた人格者で、性格よし、見た目よし、リーダーシップは抜群てやつだから、
 当然、生徒会長に推薦されて就くべくして就いたって感じ。
 特に去年…ああ、ユンホ先輩が2年の年な。生徒会入りが予想されてたから、首席争いが半端なかったらしい。
 らしいとか言ってるけど、俺らの学年でさえ定期試験の平均が全科目9割越えしてたからな」
「それは…たまたま頭のいい奴が多かっただけじゃなくて?」
「お前、ユンホ先輩のことは覚えてても、男女ともに凄まじい人気は記憶にないんだな」
「いや、うん…人気があるだろうなってのは分かる」
「ユンホ先輩は高校からの編入組なんだよ。それで物珍しさに注目浴びてたってゆうのもあるけど
 キム・ヨンギルのバックダンサーしてるから男のファンも多いし…あ、ヨンギルって誰だか分かる?今超~人気の歌手な。
 あとモデルの仕事もしてたりして、元から認知度自体が高い人だから。憧れてるやつは多いと思うよ」
「今も仕事してるの?」
「ああ。入学前からの活動ってこともあって、ユンホ先輩には校外活動が認可されてるからな」


ここでもユノはバリバリ仕事をしているらしい。
僕の夢の中でさえ、ぐうたらする気はないようだ。
しかも客観的にユノのことを話してくれるキュヒョンの声にさえ敬意と尊敬を感じるのだから、
誰もが認める“完璧”な人間なのだろう。
現実のユノのように、片付けが苦手だったり、泳ぎが下手だったり、天然だったりする一面はないのだろうか。
まぁそんなユノは僕だけが知っていればいいのだけれど。

それに、夢の中とはいえ、ユノがやりたいことを楽しんでできているのなら、僕は嬉しい。




なのに……もやもやした何かがちょっとずつ僕の心を侵食してくるのはなぜだろう。
胸を押さえる。押さえたところで、止まるわけじゃないけれど。
何かが足りない、そんな感じ。
いつもあったものが急になくなった、そんな不安感とでもいうのだろうか。
でも、それが何なのか…わからない。


考えようと思ったけれど…キュヒョンの声がそれを遮った。




「ちょっと、チャンミナ、聞いてる?」
「…あ、うん。聞いてる聞いてる」

キュヒョンは僕に説明するのが義務とばかりに、生真面目な顔で「話は戻るんだけど」と続けた。

「でさー、俺らの代の首席はな」
「ああ…」

そういえば舞台の上には2年の総代だけで、1年の総代らきし人物は見当たらない。

「そもそも生徒会の面々とお近づきになるのが目的で勉強してたんじゃなくて、単純に頭が良かっただけなんだよ」
「じゃぁ、生徒会の手伝いさせられるなんて、迷惑な話だろうな」
「本人もそう言ってた」

キュヒョンはうんうんと首を縦にふると、チラっと僕を横目に見る。

「だからこそってゆうか…あんまり人に関心がないし、内向的なやつだったからどうなるか心配してたんだけど…
 今は記憶障害で…なんかキャラまで変わってるし…もっと心配してる」

そこで僕は…やっと、キュヒョンの言わんとしていることに気付いた。

「…、まさか…」
「そのまさかだ。1年の総代は」


そのとき。


『チェガン・チャンミン、前へどうぞ』


神経質な声に名前を呼ばれて驚く僕に、しょーゆうこと、と言いながらエアー醤油を差し出すキュヒョン。
何で呼ばれているのかわからないのは、僕だけみたいだった…。







続く


↓ランキング参加中です。楽しんで頂けましたらポチっと。励みになります!!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村


やっとユノさんご登場?て程にも登場してない!
脳が糖度を欲しているのに、糖度が低すぎて…
書いてる自分が言うのもなんだけど、早くお話が進んでくれないとストレスだ…むむむ。
もうちょっとの辛抱。がんばれ自分(笑)
スポンサーサイト
コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| 2013.11.23(Sat) 08:58:01 | | EDIT

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| 2013.11.24(Sun) 21:27:20 | | EDIT

ありがとうございます。

>ゆ**さん
こんばんわ!焦らしプレシwwめっちゃプラス思考な捉え方、ありがとうございます(笑)有難い限りです!
ヨンギルでウケるのは予想外でしたがwあれはオリジナルキャラでそのうち(どんだけ先か…)出てきます。
その頃には存在忘れられてるなぁ…でもツボを押せたなら登場したかいもあったというものですね!!
CELEBRITY…あれ、かなり我々向けに作られてますよね!!!←勘違い
ファンミは行ってまいりましたー!初生…死にそうでした。流れた初見のPVのユノが可愛くて、もう好きーってなる仕上がりでしたよ。そりゃもう。ええ。ファンミはWe are T Ⅱで見れたりしちゃうかもですよね!激しく期待して待ちましょう!

YUKA | 2013.11.28(Thu) 23:52:08 | URL | EDIT

ありがとうございます。

>蒼**さん
こんばんは!いつもコメントありがとうございます~!ユノさん登場しましたけど、存在だけでしたね(笑)
夢の中でも現実でも写真の中も動画の中でも、常に輝きっぱなしですよね!!
わたしのiPhoneの待ちうけでも、輝いてくれています。待ちうけを楽しむために、TOP画面にアイコン0個にしたという使い勝手の悪さ(笑)次回こそは甘めな2人になって欲しいものです!!

YUKA | 2013.11.28(Thu) 23:55:41 | URL | EDIT

拍手コメントありがとうございます。

>v** さん
はじめまして!遊びに来てくださってありがとうございます~♪ タレソカ学園高校のお話、気に入っていただけてうれしいです。
イベントが何一つ進んでないのですが(笑)もったいないお言葉です。ありがとうござます。
おっしゃるとおりチャミ様だけ現実世界の記憶があるので、間違いなく苦労することになると思いますが…><
イケイケゴーゴー!チャンミン!チャンミン!です!!

YUKA | 2013.12.06(Fri) 14:02:12 | URL | EDIT
コメントを投稿する
 
 
 
 
 
 
 
 
トラックバック

プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。