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綺麗な男なら、美しい女なら、ここ芸能界には数えられないくらいいる。

しかし、彼らは僕の心を奪ったりしない。
僕が、奪う側だからだ。


そんな僕が、彼に心を奪われてしまった。


けれど、そんな彼の心は、僕ではない男に……奪われていた。













     【僕らの、/08-4.ジョンホside1】












「どちらに行かれていたんですか!」

楽屋に戻ってくるなり、マネージャーに凄い剣幕で詰め寄られる。

「…そんなに大きな声出さないでよ」

片耳を塞いで聞き流しながら、壁際のソファーにどかっと腰掛けて足を組む。

「いつもどちらに行かれるか、連絡してくださいといっているでしょう」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「…とぼけないでください。収録の合間なんですよ!」
「わかってるって。でも、言ったら止められそうだったし」
「まさか…」

マネージャーは僕の出かけていた先に気付いたのだろう。
天井を仰いで盛大にため息をついた。
チャンミン君がこのビルにいることも、一人でいる時間も、教えてくれたのはマネージャーだ。

「…悪い癖を出していないでしょうね」

僕の隣に座って顔をのぞき込んでくる。

「人聞きがわるいなぁ」
「東方神起さんに手を出すのは、ちょっとじゃなく問題になりますって」
「なんで東方神起はだめなの?」
「さすがにビッグアーティストすぎます。バッシングの嵐にさらされちゃいますよ…」

最悪の状況を想像したのかマネージャーは自分の身体を抱いてブルッと震えた。

「ん~たしかにね。でも、もう遅いな」
「…えっ!?」
「サイは投げられたってやつだよ」

膝の上で頬杖をつき、にっこり笑いかけると
マネージャーは幽霊みたいに精気の抜けた顔をした。
そして両手で頭を抱える。

「…お願いですから、収拾するこっちの身にもなってください」
「それも僕の魅力でしょう?」
「うっ…それはそうですけど…今までは、先方もジョンホさんとのスキャンダルが
 話題性という意味でメリットがあったから、なんとかなっていたんですよ」

意外と的を得たことを言う。
たたみかけるように、マネージャーは言葉を継いだ。

「東方神起さんともなると、スキャンダルはNG中のNGなんですから」
「今回は不用意にバラさないから大丈夫だよ」
「バラさなくても、バレますから」

天の神様に祈るように両手を合わせる。
僕だってマネージャーを困らせたいわけじゃないけれど、

「でもね、今回はちょっと…いや、かなり本気だから…」

マネージャーはガバっと顔を上げて、
僕の言葉を最後まで聞くことなく

「それはもっとだめです!!!」

青白い顔をもっと白くして、大きな声で怒鳴った。







初めて彼の存在を知ったとき、可愛い男の子がでてきたなくらいの認識で
食指が動くことはなかったし、興味も持たなかった。

そりゃそうだろう。
僕は男もいけるけど、基本的には女性の方が好きだ。
同じ可愛いなら女の子の方がいいに決まっている。
さらに言うなら、付き合う=新しい装飾品を持つという感覚だから、
隣に立っていて目の保養になるくらいの美しさを持っていないと
男と付き合うこの僕のセンスが疑われかねない。

というわけで、会ってみたいとも、お近づきになっておこうとも思わなかった。


けれど、最近は、東方神起カムバックの話題でもちきりだったし、
たまたま隣のスタジオで収録しているのを知っていたから
暇つぶしくらいの気持ちでふらっと立ち寄ったのだけれど。



ドアを開けた瞬間、否応なく意識を持っていかれてしまった。

無数のライトに照らされたその中心から、圧倒的な存在感が放たれていたから。
目が釘付けになる。


“東方神起ってこんなグループだったっけ?”


自分の記憶にあったものとは、重ならない。
そこには、強い意志と確固たる信念を感じ、それが感動となって僕の胸を揺さぶった。



そして、瞬きさえ惜しいくらい、僕の目を奪ったもの。

まるでショーを見ているかのようなパフォーマンスもさることながら、
柔らかそうに揺れる髪、長くて細い手足、衣装からチラチラ見える胸筋、しなやかに動く身体。
見る者を誘う指、セクシーな腰の動き、そして、次第に乱れてくる息づかい。

真っ直ぐ前を見据える澄んだ瞳、挑発するような攻撃的な表情、
愛らしく笑む魅惑的で蠱惑的な顔。

真摯に響いてくる、力強い声。
見る者の気持ちまで鷲掴みにして突き抜ける、ハイトーンボイス。



凛々しく、美しかった。









「ジョンホさん、聞いてますか!?」

マネージャーの声で我に返る。

「ごめんね、聞いてなかった」
「はぁ!?お願いしますよ~…」
「うそうそ、わかってるって」


そう、わかっている。
僕が恋愛に本気になるなんて、マネージャーが言うように、あってはならないことなのだ。

あくまで遊び。

そのスタンスを貫くことができなかった日には、僕が築き上げてきたイメージは
崩れてしまうだろう。

それはつまり、人気を失ってしまう可能性があるということだ。


「行動の結果をちゃんと考えてください。お願いですから!」

マネージャーの苦言は続くけれど、
そんなことは言われるまでもなく、常に考えている。
だからこそ今の地位があるのだ。

しかし。

「考えたっていてもどうにもならないこともあんだよね」
「…えっ、貴方ほどの人がですか?」

僕の呟きは、驚きに満ちた声で問い返された。
マネージャーの中の僕は、恋愛自由人とはいえ、理性的に動く大人ではあるらしい。
肩をすくめてみせる。

今日みたいに、頭より感情が先行してしまうことがあるなんて、
僕だって知らなかった。

けれど自分の意志ではどうにもならないことのように思う。
だって、彼がそうさせるのだから。



僕の発言に余計不安を抱いてしまったらしく、これだけは確認しておかなければという感じで
マネージャーは探るような目を僕に向けた。

「…まさかもう既に、謝罪に出向かなければならないような事はしていないでしょうね?」
「謝罪ねぇ。例えば?」

「周りの目を気にせずエロいキスするとか」
「………」
「あのときは周囲がどよめいてましたよね。あまりに堂々としてたから」
「………」
「スカートの中に手を入れてキャッキャするとか」
「………」
「隠れてるつもりでしたでしょうけど、ギャラリーいましたから」
「………」
「スタッフのいない隙を狙って楽屋で押し倒」
「もういいよ…」

淀みなく僕の過去を口にするマネージャーにストップをかける。
どこまで知っているんだ?
ってゆうか、すべての件で関係者に謝罪をしていたのだろうか。
先方にもメリットがあると分かっていながらも。
ちょっとざわついた心は隅に置いておいて、マネージャーを安心させておく。

「…お見知りおいてもらった程度だよ」

想像以上に細い腰とやわらかくてなめらかな頬、芳しい匂いを思い出しながら
笑顔でそう言った。




とはいえ、正直なところ、彼の中で良い方向に印象が残ったという手ごたえはない。

自分を良く見せたい。
それだけを念頭において、どんな接し方がいいのか探っていたはずなのに。

思わず予定にない行動をとってしまったのだ。
…あれは、逆に警戒心を抱かせてしまっただろう。





発端は、僕がユンホ君の所在を聞いた時。
僕に向けていた緊張を含んだ面持ちがみるみる綻び、優しい表情が溢れるように出てきた。

綺麗な顔がより輝いて見える。
めちゃくちゃ可愛い…
こんな表情も持っていたんだ…感動にも似た気持ちが沸き起こる。

けれど、それは僕に向けたものではなく、
彼の瞳は映っているはずの僕をすり抜け、別の誰かを見ていた。

それに気付いたとき、ときめいた気持ちがどんどんしぼんでゆく。

目の前にこの僕がいるというのに、別の人間のことを考えているその事実は、
僕の自尊心を大きく傷つけた。


さらに、今彼の頭の中にいるであろう相手が誰かということも
どんな想いを抱いていかということも、…分かってしまった。



むくむくと芽生える、焦げるような嫉妬心。


どうしても奪いたくなった。
彼のすべての感情を、僕だけに向けさせたくなった。




そのあとの行動は、時期尚早すぎたことは分かっているけれど
我慢がきかなかったのだから仕方がない。

とはいえあの程度で抑えられたのだから、褒められて然るべき忍耐力だと思う。


良い印象と引き換えに、彼の中に僕の存在を植え付けることはできただろう。









マネージャーは真偽を見極めるかのごとく、僕をじっと見ていたけれど
溜息とともに立ち上がった。

「ならいいですけど…」
「心配しなくて大丈夫だって」
「……ホントにお願いしますよ」

もう一度念を押すも、時計に目をやると
タイムリミットだと示すように、腕時計を叩いた。

「スタジオに戻りましょう」



僕はマネージャーの後についてゆきながら、
さっき会ったばかりの彼にまた会いたいと、強く思っていた。


マネージャーの苦言も、僕の気持ちを押しとどめる一手にはなり得なかったようだ。







続く

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回想ばかりになっちゃいました!!
飽きちゃいませんかね…心配…
次回は、ジョンホ氏 VS ユノ になりそうです。

エイネのレポ読みながら、めっちゃ映像が見たくなりました><
家にテレビがあれば、即スカパー契約していたのに…そしてウハウハしていただろうに。
こんなにも、テレビとOA機器が欲しいと思ったことはありませんでした。
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コメント

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| 2013.08.29(Thu) 23:38:08 | | EDIT

ありがとうございます。

こちらこそいつもありがとうございます。
楽しみにしてくださる方がいると、妄想のしがいがあります(笑)

YUKA | 2013.08.30(Fri) 23:37:46 | URL | EDIT
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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
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