上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
玄関のドアが開く音がする。

ユノだ。
時計は深夜の1時を過ぎている。
遅くなるってメールがきていたけれど、おかえりなさいを言うために待っていたのだ。

でも、ちょっとしたいたずら心が働く。
僕がソファーで寝入ってたら、ユノはどんな行動を取るのだろう…

テーブルにはワイン。
酔って寝ちゃったっていう言い訳にはもってこいだ。
だから目も口も閉ざすことにした。










ゆのみん企画/第45回 寝顔】











「チャンミナ~、ただいま…」

キィと音を立てて部屋のドアが開く。
僕が寝ていることに気が付いたみたいで、歩き方が抜き足差し足忍び足になった。
そのままユノの気配がどんどん近づいてきて、衣擦れの音がしたと思ったら、ちょっとだけソファーが軋む。
床に腰を下ろして腕を置いたのだろう。


僕の予想では、このあと
「チャンミン、寝てんの?こんなとこで寝てたら風邪引くよ」
って僕を起こそうとするけれど、当然起きなくて、
「もー、仕方ないなぁ」
とか言いつつ、毛布を持ってきてくれて、目覚まし時計もセットして、電気も消してくれて。
で、ユノが部屋に戻るとき、
「おやすみ」
って言いながら僕にキ、…じゃなくて、…えっと、えっと……うん、まぁ…そんなような展開になると思っていたのだけれど、
予想を裏切って、それっきりユノに動きはなかった。

どのくらい動きがないかというと、僕の体内時計ではそろそろ5分がたつ。



一体そこでなにしてるんですか。
薄目を開けて確認したくなった。








でもそのとき、


「……かわいいなぁ。子どもみたいだ…」


吐息くらい小さな声がした。
その言葉が意味するところを悟って、一瞬で顔が熱くなる。

なんで気が付かなかったのだろう。
ユノが何してたかって、僕がくだらないことを考えてる間ずっと、寝顔を見ていたにきまっているじゃないか。


羞恥プレイのナニモノでもない。


それなのに、さっきまでの沈黙が嘘のようにユノの独白が続くから、
すっかり起きるタイミングを失っていた。


「最近さ…めっきり大人っぽくなって、むしろ俺の兄貴みたいじゃん?
 ほんとしっかりしてるってゆうか…まぁ、昔からしっかりしてたけどな。それに磨きがかかって…
 だからかな。…甘えてくれなくなったのは」


触れているか触れていないか判断に困るくらいの緩さで、頭を撫でられる。
そして、


「…なぁ、チャンミン。………寂しいよ」


ユノはポツリと呟いた。
まさか、ユノの口からそんな言葉を聞くなんて…。


2人だけになってから、何でも独りでちゃんとしなくちゃって、そういう意識が高まったのは事実だ。
とはいえ僕としては、今も昔もユノを頼りにしているし、精神的にもユノがいてくれるから頑張れる。
そういうのは甘えているうちに入らないのだろうか。


「……ヒョン」


僕はゆっくりと目を開けた。
思ったより近くにユノの顔があって、ドキっとしてしまう。
ユノはユノで急に声をかけられて驚いたようだったけれど、すぐに申し訳なさそうに眉をしかめた。

「ごめん、起こしちゃったな」
「いえ、」

実は起きていて、話を聞いていましたなんて言えるわけもないから、濁したような返事になる。
だからツッコまれないうちにと体を起こして、ソファーに置きっぱなしだったユノの腕を引っ張った。


「床に座ってたら体冷えちゃいますよ」
「そうだな。でも、お前がソファー占領してたんじゃん」


ユノは笑いながらそう言うと、まだ着たままだったジャケットを脱いでソファーの背にかけ
窓に一番近い端っこに座った。



        甘える。



ユノの欲しい甘えるってどんなのだろう。
こぶし4個分くらいあいた距離を眺めながら考える。
考えてみてもすぐには答えが見つかりそうになかったから、とりあえず、この距離を詰めることにした。

体を寄せて…それからユノの腕の間に自分の腕を入れてみる。
ユノは、ん?という顔をした。


一般的によくあるであろう“甘える”行動を実践している自分…羞恥プレイ 2nd。
だけど、微かに触れたユノの手があんまりにも冷たかったから、指先をきゅっと握った。


「手、冷たいですね」
「あっためてくれるの?」

そう僕に聞いてきたユノの瞳が…
自分でこんなことを言うのもなんだけど、“愛しい”っていう言葉がそのまま宿った瞳で、つい魅入ってしまう。
そのせいで返事が遅れた。

「…そうです」
「ありがと。今日はいい日だなぁ~」
「何か良いことあったんですか?」
「チャンミンの寝顔が見れた」
「そんなのほぼ毎日見てるじゃないですか」
「見てるって言っても、そういう見るじゃないだろ」
「?」
「大っきくなったなぁとか、男っぽくなったなぁとか、そういう変化も含めてだよ」

さっきは可愛いとか子どもみたいだって言ってたくせに。

「それはありがとうございます。でも、もう大きくなってはいませんけどね」
「そうだな。これ以上身長が伸びられても困る」
「安心してください。これからもずっと、ヒョンより高いままですけど」
「…お前、むかつくな」
「それは僕の台詞ですよ。人の寝顔を観察するなんて趣味がいいとは思えませんね」
「でもさ、見られてるほうは寝てるんだから、バレないだろ?」

ニヤリと片方の口元を上げて笑ったユノに、ドキリとした。
…やっぱり、たぬきねいりだって気づいていたのだろうか。
そんな気がしてきた。





「風呂入ってくるから、先寝てろ」

ユノは立ち上がると風呂場へ向かおうとする。
僕は反射的にユノの手を掴んでいた。

まだ“甘える”を実践していない!


「どうした?」

不思議そうに首を傾げて僕を見下ろす。
どうしたもこうしたも、こうしようと考えて手を掴んだわけじゃないから、答えようがない。
それでも何か言わなくちゃと思って、口をついて出た言葉がこれだった。



「ヒョンの部屋で寝ててもいいですか」



しん。
沈黙が降りる。
…羞恥プレイ 3rd。

ユノは僕からそんなことを言われるとは思っていなかったみたいで、目をしばたたかせる。
ちょっとどころじゃなく恥ずかしくなって、思わず目を逸らしてしまった。
「チャンミナ、おいで」って僕を誘ってくれるのは、いつもユノだ。


「ほら、明日は現場同じだし、起きる時間も同じだし、えっと、ここからの距離も同じだし…」


ここからの距離ってなんだ。意味がわからない。
脳を経由しているとは思えない言い訳をしどろろもどろに口にしていたら、わしゃわしゃと頭を撫でられた。

顔を上げると屈んだユノの顔がすぐ近くにあって、僕の唇に唇が重なる。
ここも手と同じ。ひんやり冷たかった。


でもすぐに離れてしまう。
思わず追ってしまいそうになるけれど、それより早く、囁くようにユノは言った。



「じゃぁ、ベッドで待っててくれる?」



視線が交わる。
まるで、続きはそこで、とでも言うような艶っぽい笑み。
僕はこくこくと頷いて、掴んだままだったユノの手を離した。












「あ…。おかえりなさいって言いそびれた」

ドアの向こうにユノが消えてから、そのことを思い出す。

それを言いたいがために待っていたのに。
でもまぁいいかと思い直す。おやすみなさいをする前に言っておこう。

ちょっぴり火照った頬を手の甲で冷やしながら
ベッドを温めておくという使命を遂行すべく、いそいそと寝室に向かった。



今度はたぬきねいりなんかせずに、ちゃんと起きて待っていよう。
そして明日の朝は、僕がユノの寝顔を眺めながらナイショの話をしよう。


そう決めて、僕はユノのベッドにもぐりこんだ。








..end


»Read more...

スポンサーサイト
 | Home |  Next Page »

プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。