tare.gif 【タレソカ学園高校/01.】






遠くから聞こえてくる声。


「……ナ、……って」


ユノヒョン?


「…かげん、…きろって!」


どんどん大きくなってくる。




「起きろっ!」




急かされるように、重たい瞼を上げたとたん、
視界いっぱいに映ったのは、よく見知った人物だった。

「……キュ、ヒョナ?」
「お、やっと起きたな!」

僕の胸の上に頬杖をついて顔を覗きこんでいた。

「……近い、重い、どけ…」
「うわ、起こしてやってんのに、ヒドっ!」

ムンクの顔真似をしながら、よろよろと僕の上から退く。
その仕草に思わず笑ってしまった。


「…で、お前…朝からどうしたの」

だるい体を起こしながら尋ねる。

「どうしたはお前だっ!…昨日はエロい寝言ばっか言いやがって…」

エロい寝言?
キュヒョンが赤い顔で両手を腰に当て頬を膨らませていた。
ご立腹のようだ。

「聞いてるこっちが恥ずかしくて、昨日の夜は眠れなかったっての。だいたい、」



……よく分からないことを言い始めたキュヒョンの声はシャットアウトして、右と左を確認する。
いるはずの人物がいなかったから。
シーツを触ってみる。
温もりすら残っていない。

昨日、ユノと抱き合って眠ったはずなのに……どこいったの?

キュヒョンに聞いてみようと思ったけれどまだ何か言っているから、とりあえず黙れと手で制した。
それから尋ねる。


「ユノヒョンは?」


所在を聞いただけなのに、キュヒョンは目をぐるりと回して、さらにため息までついて
呆れたをアピールしてくる。


「…ユノヒョンて…お前、まだ夢見てんの?」
「出かけたの?」
「……チャンミナ~…ユンホ先輩がここにいるわけないだろ?」
「いるわけないって、ここ俺らの家なんだけど…」
「いやいや…ここは俺らの部屋だ。俺とお前だけ。OK?」


そう言って、キュヒョンは僕の胸にハンガーごと洋服を押しつけた。


「もー、何でもいいからとりあえず着替えろ」
「これに?」
「そうそう。あと30分で始業式だから」
「…しぎょうしき?」


しぎょうしきって…
新学期の最初に全校生徒が集まって、校長先生渾身のスピーチを右から左に聞き流す、アレだろうか。
アレだとして、なんで今から始業式という話になるのだろう。


こめかみを中指で押さえる。
…だめだ。さっきかからキュヒョンの言っていることが理解できない。
会話も噛み合わない。

すべては僕の頭が起きていないせいかもしれない。


そう思ってキュヒョンに説明を求めようと目を向けるけれど……そこで僕は初めて、
ここが自分の家ではないことに気づいた。


キュヒョンの背景は、違う種類の緑色が交互に並んだストライプの壁紙だし、
その壁には明るさよりもデザインを重視したとしか思えない蝋燭を象った照明がついていた。
さらに壁に沿って、収納としては役不足であろうゴシック調の家具たちが絶妙な間隔で並んでいる。
まるで、洋館の一室だ。

僕が寝ている間にユノがこっそりこんな乙女チックな模様替えをしたとは思えないし…


…一体ここはどこなんだ。


「チャンミナ~、急げって!ほらほら」

落ち着いて考えようとしているのに、キュヒョンが僕のパジャマを脱がせるから
しぶしぶ押し付けられた服に着替える。

僕が着せられたのは、キュヒョンとお揃いの服だった。

紺色のブレザーに紺色のズボン。まるで制服。
学生服を象徴するようなエンブレムが胸元でキラリと光る。


そこにはオシャレな文字でこう書かれていた。



“タレソカ学園高校”





……新番組の衣装か何かだろうか。










続く

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プロフィール

YUKA

Author:YUKA
ある日突然、ユノに恋をしました。
気付けば、チャンミンに構って欲しいユノと、ユノの側にいてくれるチャンミンの図に、萌えまくっていました。腐り具合は、きっとこれから進行してゆくのでしょう。

東方神起ありがとう!

「東方神起 RISE AS GOD」
「東方神起 LIVE TOUR 2015 WITH」




素敵な画像をお借りしました。
ありがとうございます。